OLUCE
Perla Table Lamp
Kate Bushの『Running Up The Hills』という曲が好きでよく聴いていました。
1985年の曲なので、今聞いてるのは俺ぐらいだろ~と思っていたら、最近Netflixのドラマで効果的に使われたそうで、世界的なリバイバルヒットとなっているようです。
なぜ?なぜ今Kate Bush?と困惑していましたが、ドラマの背景も80年代らしいですね。観てないので語れませんが…。Stranger Things、面白いらしいです。
やや脱線しながらのスタートですが、80年代ポストモダンデザインのお話です。
ポジティブさを形にしたら
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様々な分野で巻き起こっている80sリバイバル。音楽やファッションの流行は一周するといいますが、80年代を席巻したポストモダンデザインもまた再評価されています。
ポストモダンデザインの何たるかについては、より詳しく解説されている方がたくさんいると思うので割愛しますが、個人的には「まだ誰もやってないカタチ、色、素材の組み合わせの追求」と思っています。
〇△□の単純なカタチに、原色やパステルカラーのペイント。家具デザインに保守的な層からは批判が多かったことでしょう。
先進性を求めるあまり、機能が置いてけぼりにされることもあったポストモダンデザインですが、そんなある意味で節操のないパワフルさが、40年近い時を経て再び脚光を浴びています。
普通なモノに飽きた人が増えたのかもしれませんね。
さて、今回の主役はこちらのテーブルランプ。絶妙な大きさ過ぎてテーブルランプかフロアランプか判断に迷うサイズ。いきなり天邪鬼な感じでこちらを牽制してくるようです。
『一時停止ボタン』のようなパーツ(触っても何も起きません)、シーリングライトを無理やり縦置きにしたような外観に、ハテナが溢れて止まりません。
その正体は"フロス FLOS"が代理店だったイタリアの照明ブランド"オルーチェ OLUCE"の『パーラ Perla』テーブルランプ。
プロダクトデザイナーの"ブルーノ・ゲッケリン Bruno Gecchelin"は、70年代は機能的でスマートなシルエットの照明をデザインしていましたが、80年代に入ると作風を一転させ、ポストモダンデザインに傾倒していきます。
結果として、優れた工業製品を選出する『iFデザイン賞』をいくつも受賞することに。
『パーラ Perla』もアンバランスさと愛嬌を持ち合わせた、まさにザ・ポストモダンといった出で立ち。「まだ誰もやってなさそう」を体現したようなやったもん勝ち的発想を感じますが、ホントのところはどうなんでしょうか。
どちらにしても、ちょっと可笑しい謎みたいな部分こそ、ポストモダンがウケている要因の一つなんだと思います。
機能面としては正直特別なところは無いですし、もっと取り回しの良いライトは数えきれないほどあるはず。
それでも、もっと面白いデザインを世に出したい!というポジティブなエネルギーに溢れた80年代の空気感が、確かに感じられるような一台です。
同シリーズはウォールライトやデスクランプも存在していたようですが、基本的に情報が少なく、流通量自体も少なそうです。ユニークなアートのようなランプをお探しの方に。