エンゲルブレヒト Engelbrechts ゼットダウン Z-down フォールディングチェア イージーチェア スチールパイプ×本革 エリック・マグヌッセン Erik Magnussen デンマーク 北欧ビンテージ ~身じろぎ~

UPDATE: STAFF:トリス
エンゲルブレヒト Engelbrechts ゼットダウン Z-down フォールディングチェア イージーチェア スチールパイプ×本革 エリック・マグヌッセン Erik Magnussen デンマーク 北欧ビンテージ ~身じろぎ~

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Engelbrechts

Z-down Folding Chair

日中の中でも、だいぶ涼しさの割合が増えてきたような気がします。

秋は長雨なんて言いますが、できれば土砂降りではなく穏やかに降ってほしいものです。

 

夏の熱気が収まってくると、その肌さみしさを補うかのように温かみのあるインテリアが欲しくなるもの。

今回はクールな佇まいでありながら、温かく、穏やかな時間をもたらしてくれるレアな1脚をご紹介いたします。

すべては一つ

今ではインターネットの普及によって様々な国や時代のアイテムを一つのモニターの中で比較できる時代。流行は確かに存在するものの、取りうる選択肢の幅はなんだかんだ今が一番多いのかもしれません。

格式高い、ヨーロッパの王侯貴族らが用いたクラシック、生活に必要なアイテムが時代と共に洗練されたウィンザーチェアのようなアノニマス、アフリカをはじめ土地に根付いた文化と宗教的な祈りが宿る、プリミティブなスツールや編組品。どれもそれぞれに魅力があり、見る人の心のピースにはまるような輝きを持っています。

その中でも多くの人が安心してチョイスするのは、モダンなプロダクト。

モダンと一言にいってもその説明は難しいところですが、ちょっと強引に「合理的」であるというように表現してみます。

例えば家具のため、木の幹から仏像のように掘り出す。とても神秘的な雰囲気ですがそれに相応しい材料を選定するのは簡単ではなく、また木が必要な太さに育つまでは何十年単位の時間がかかります。

それに対してモダンなアイテムは、プライウッド(成形合板)というスライスした木を張り合わせた材料を良く使います。蒸しあげたりプレスしたりすることで形を変えやすく、軽いのに強度もある。表面に杢目の良い木(化粧材)をあしらうことで雰囲気もばっちりです。逆に見た目が悪くても良い品質の木を活かせるのでとてもエコロジー。

良い材料を節約しながら、永く使えるアイテムを作る。そして手が届きやすい値段だから多くの人が楽しめる。この「合理性」がモダンの大切な要素なのです。

 

今回のプロダクトはそんなモダンの概念が深く根付くデンマークの1脚。

デザイナー エリック・マグヌッセン(1940-2014)が、エンゲルブレヒトから発表した Z-downです。

鋼管椅子などと呼ばれるスチール製のパイプを用いた家具。マルト・スタムやマルセル・ブロイヤーといったバウハウスの旗手たちが着目したのは、製造の容易さとその強度。

ガス管や自転車用とすでに規格が出来ている部材をベースに家具に用いるアイデアが広がり、様々なアイテムが生まれています。

1968年にデザインされた今回のZ-down。28歳ごろにこれを実現させたという事実にまず驚きます。一筆書きのようなフレームは2箇所で接合されたシンプルな造り。

張り出したパイプの先に一枚革を渡すことで面を作り、折りたたみも可能な1脚としてデザインされています。

側面から見るとZ字のよう。ロの字のようにしない事で座面フレームへの負担を抑え、被せたレザーシートを安定させています。

またX字にフレームを交差させる事で、重心をしっかりと定めている事もまた安定性に繋がっています。

今回の椅子ならではのポイントとして、レザーを贅沢に張った椅子たちの多くが

・背もたれと座面がひとつながり

もしくは

・固定され分離した座面・背もたれ

であるのに対し、今回のZ-downは「しなりをもち、分離した座面・背もたれ」。

前者はいわゆるハンモック、後者はソファやラウンジチェアのタイプに該当しますがどちらでもない面白いタイプ。

これによって生まれるのは、ピタっとフィットしながら身じろぎのしやすい不思議な座り心地。

背もたれと座面が別々に動き、カンチレバー構造のため心地よくしなります。某モビルスーツ的に言うなら「こいつ、動くぞ!」という驚きです。

ハンモックタイプは重心にシートすべてが引っ張られるためちょっとストレス・・・なんて方には一度お試し頂きたいポイントです。

ひとつながりのパイプを2本と、温もりのあるレザーのシートを2枚。少ないパーツの中に書ききれないほどの要素が混ざり、静かに佇んでいます。

このZ-downに続き、学校用の家具からラウンジチェアと、ひとつながりのパイプフレームを用いた作品をデザインしたマグヌッセン。その中で生まれた左右非対称なフォルムは彼のチャームポイントとして評価されています。

音楽が好きであったマグヌッセン。彼はジャズの優れたアドリブのように、同じことはせず、常に新しい試みの中で洗練を探していました。

多くの人が納得し、受け入れる事の出来る合理性。
突き詰め、組み合わせ、新しいことを試みた事で生まれる普遍性のある「オリジナリティ」。
矛盾を乗り越えた先にある、確かな美しさを楽しむ事の出来る名品です。

エンゲルブレヒト Engelbrechts ゼットダウン Z-down フォールディングチェア イージーチェア スチールパイプ×本革 エリック・マグヌッセン Erik Magnussen デンマーク 北欧ビンテージ ~身じろぎ~

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