Ikast Mobelfabrik
Writing Desk
ね、可愛いでしょ。と誰かに自慢したくなる家具。
もちろんかっこいいという表現も間違いではなく、もしかすると使いやすいとかコンパクトサイズが初めの感想として思い浮かぶ方もいらっしゃるかもしれません。
でも個人的にはそんな印象の全部をひっくるめて「可愛い」と言いたくなるのです。
生まれてよかった
幅約110cm、奥行約55cmと決してサイズは大きくないですが、魅力的なポイントをたっぷりと携えたデスク。こだわりが光る細部までじっくりと見ていきたいと思います。
まずは角は丸く削り取られわずかに弧を描く天板。宙に浮いているかのような独特のデザインが個性的です。また、その下には直線的な三角形のボードがちらり。柔らかな曲線にメリハリを与えています。
正面向かって左側には2杯の抽斗を備えます。開けて驚いたのは、内部の木色まで色付けされている点。中まで塗装される家具は比較的少ないので、ブラウン色がなんだか新鮮です。
さらに浮遊する天板のおかげで抽斗上にも空間が生まれ、さっと取り出したいものをしまうことができます。余すことなく収納できるなんて至れり尽くせりなデザインです。
それから向かって右側、チェアを収める場所にも小さなコーナーシェルフが配されています。本を立てたり、飲みかけのカップを置いたりするのが正統な使い方でしょうか。
ただ収納が増えた分、少しだけ椅子を入れるスペースが狭くなっているので、小ぶりなデスクチェアやスツールを合わせていただくのがよいかもしれません。
まだまだあります。お次は後ろ。なんと背面収納がお目見えします。本をずらりと並べてほしいと言わんばかりのオープン棚です。これでもう壁付けで設置する選択肢は消えました。
でも、せっかくなので空間の中央に設置して前、横、後ろ、それぞれに美しい佇まいをぜひご堪能いただきたいと思います。
このデスクを手掛けたメーカー、デンマークのIkast Mobelfabrik(イカストモーベルファブリック)は、1945年の設立当初にはクラシカル家具の製造を行っていたそうです。
それが北欧スタイルへと切り替わったのが1951年。Gunnar Nielsen Tibergaard(グンナー・ニールセン・ティベルガード)の統括がきっかけでした。もし氏が現れなかったら、そう考えるとちょっっぴりぞっとします。
工房とデザイナーの出会いって本当に大切です。こんなにも可愛いデザインが生まれてきてくれてよかったと思うばかりです。