ERCOL
Butterfly Chair
インプションに入って、初めて書いたブログ。それが、アーコールのチェアでした(たしか、スポークバックのウィンザーチェアだったと思います)。
そんな個人的に思い入れのあるERCOL(アーコール)。今回は少しだけ特別な1脚です。
蝶の羽にピンクの脚を合わせたら。
>>この商品の詳細を確認する
何が特別か…は、一目瞭然。そう、こちらは半分だけピンクに色付けされたスペシャルな「Butterfly Chair | バタフライチェア 」。
“ ハーフ・ローズシリーズ ”としてベンチシートとともに、2019年に発売された限定カラーです。
“アーコールに合うトレンドカラー”が登場した時にだけ作られる、限定色アイテム。
これまでに採用されたカラーがホワイトやブラックであることをふまえると、色彩を含んだカラーリングは極めて稀な逸品ではないでしょうか。
“ ミレニアム・ピンク ”と名付けられたこの色は、少しくすんだペールトーンのピンク。ナチュラルな木色との馴染みが良く、どこかartek(アルテック)を連想させるような雰囲気を纏います。
ビンテージとは異なる優しくふんわりとした印象がまたよいものです。
そもそも、現行モデルとしてスタッキングチェアに並ぶ人気を博すバタフライチェアは、1950年代にデザインされたアーコールの中でも歴史の古いモデル。
その佇まいが蝶の羽を連想させることからバタフライの名が浸透していますが、発売当初のカタログにその名はなく、“ No.401 ウィンザーダイニングチェア”と掲載されていたんだそうです。
1970年代初頭まで製造された後、しばらく生産中止となっていましたが、マーガレット・ハウエルの熱意が実り、2004年に復刻されました。
この復刻がなければ、ここまで定番モデルとしての地位を得られなかったのかもと思うと、その功績の大きさがうかがい知れます。
そんなバタフライチェアの特長といえば、緩やかなしなりを加えた背もたれと座面。その曲線が見事なまでに身体にフィットし、座り心地を重視してデザインされたことを肌で感じられます。
ちなみに、当初から“ It is designed to be used without a seat cushion.(クッションなしで座れるデザイン)”と謳っていたそう。事実、この掛け心地にクッションは不要です。
軽やかな抜け感のあるピンクのバタフライ。英国の名作でありながら、永遠のスタンダードでもあるデザインが、今なお人気を誇る最大の理由です。
ながくともに過ごせる椅子をお探しなら、このチェアをぜひ候補にしてほしい。
デザインの魅力もカラーリングの特別感も、そしてしっくりくる掛け心地もすべて含めて、そう思わずにはいられないのです。