Takayama Wood Works
AA21 Side chair
現在も気温が高い日が続きます。しかし7月のはじまりが過酷だったせいか、「この暑さなら何とかなる」と感じてしまっている自分がいます。ちょっとオソロシイ。
最初のインパクトが大きいとその後が凄くてもそれほど気を払わなくなってしまうようです。第一印象というのはどのような場面に於いても重要であると感じたひと時でした。
今回のご紹介は、そういった意味合いで言うならば第一印象から外れない椅子。
このブログをご覧の皆様はこの椅子にどんな印象を感じますでしょうか?
宜しければ、最後までお付き合い頂けますと幸いです。
答え合わせは最後に
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飛騨家具。インテリアにこだわる方であれば耳にする事の多い言葉。
日本で家具は主に地域産業であり、古くから木を用いた建築物や調度に携わってきた地域は、現代でも家具づくりにおいて高い品質を誇っています。
筑後川の河口流域にあり、流されてきた木材の集積所として箱もの(タンスやキャビネット等)づくりの評価の高まった九州は大川。
北欧の名品に使われる程の高品質な木材を有し、のびやかで温かみのあるアイテムが楽しめる北海道の旭川等地域によってその特色は様々。
日本有数の山岳地帯である北アルプスを東に臨む岐阜県にある飛騨、そして高山はとりわけ高い木工技術を持つ地域。
古くは万葉集に建材に墨を引く職人の姿が詠われ、近年では国内外を問わず優れたデザイナーとの協働がトピックに挙がる等、途切れる事の無いものづくりが実力の証。
今回はそんな企業が今もしのぎを削る飛騨高山から柏木工が今回のチェアを製造しています。
ブランド名は高山ウッドワークス。インテリアデザイナー、岩倉榮利氏(以下、敬称略)と柏木工の協働によって生まれたブランドです。
渋谷パルコでインテリアを取扱っていたパルコパート3。そこで空間のディレクションを行っていた岩倉榮利が自身のブランドとして立ち上げたロックストーンは、日本におけるモダンインテリアの提案となりました。
海外からただ受け入れるだけではなく、洋家具の様式を踏襲しながらも「和」を感じられる日本発のアイテム。昔の暮らしから現代の暮らしへとつながるこの架け橋は多くの人がモダンなインテリアを取り入れるきっかけになったかと思います。
そんな岩倉榮利が飛騨高山の腕が立つ頑固な(※勝手な個人のイメージです)職人と作ったチェア。
派手さは無くとも静かな存在感がありますね。
フレームの大部分にはきめ細やかな質感が人気のウォールナット、そして背もたれの部分にオーク(ナラ)材が使用されています。濃色のウォールナットの額にオークの自然な木色が収められて、滑らかなつながりながらどこか目を惹くような意匠になっています。
格子の規則正しい並びは見ているだけでも楽しいですし、日差しの傾きによって伸びる陰もどこか印象的にしてくれそうです。
全高は80センチと標準的ですが、あまり高いという印象はありません。50.5センチの気持ち余裕のある幅、そして背もたれと座面はそれぞれに柔らかい弧を描いているため、目に映る面積から広がりを感じられるのがその理由と考えられます。
余分なはみだしのないフォルムだからこそ、控えめなデザインがより効果的に感じられるのですね。
座面にはブラウン、イエロー、オレンジ、カーキ等の色味が感じられるミックスファブリック。温かみがあり木味を損なわないカラーリングです。
幅広な座面であれば横揺れが気になるところですが作りはしっかり。足元にある左右を繋ぐ貫のおかげもあって、不安なくお使い頂けます。
和室での暮らしが近年まで一般的であった日本。今でも床座という床に近い視点での暮らしが落ち着くという方が多くいらっしゃいます。
サイズはモダンな家具から外れずに、デザインの工夫で和の中でも楽しめる1脚。高山ウッドワークスの椅子は今の暮らしに和の心を活かしたい方にもお勧めできる素晴らしい1脚です。
端正で安心を感じさせてくれる椅子をお探しの方はどうぞ、この機会にご検討下さいませ。