Vitra

Belleville Chair

一見すると、どこか脆く、日常的な素材のように思えるプラスチック。

しかしその印象を覆すように、あるデザイナーはプラスチックらしさを美しく昇華させ、素材そのものの可能性を広げました。

今回は、洗練された技術と感性が融合したプラスチックチェア「ベルヴィルチェア Belleville Chair」のご紹介です。

プラスチックにエレガンスという新しい価値を

1950年創業、スイスを代表する家具メーカー「ヴィトラ（vitra）」。

イサム・ノグチの〈コーヒーテーブル〉やヴェルナー・パントンの〈パントンチェア〉など、時代を超えて愛される名作を数多く手がけてきました。

伝統と革新が共存するヴィトラの世界は、いまもなお世界中のデザイン好きな人々を魅了し続けています。

そんなヴィトラのもとに誕生したのが、パリを拠点に活躍する兄弟デザイナーユニット、ロナン＆エルワン・ブルレックによるベルヴィルチェア。

名前の由来は、アートや音楽が息づくパリの地区「ベルヴィル」。

その街角に漂う自由でクリエイティブな空気、そしてビストロ文化のエレガントな佇まいがデザインの源になっています。

素材には、軽量かつ丈夫なポリアミドを採用。

片手で軽々と持ち上げられるほどの軽さで、屋内外どちらでも快適に使用できます。

5脚までスタッキングできる機能性と、背もたれへと自然に細く流れる美しいラインが、プラスチックチェアの概念を新しく書き換えています。

今回入荷したカラーは、深みのあるモスグレー。

わずかに黄緑を帯びたニュアンスカラーが、空間に静かな洗練を添えます。

日常にすっと馴染みながらも、どこか印象的な存在感を放つ一脚です。

クラシックな品格とモダンな構造が共鳴し、控えめな中に確かな個性が光るベルヴィルチェア。

どんな空間にも自然に溶け込みながら、さりげなく美しさを主張します。

“美しい街”という名を冠したその姿は、まさに名の通り、上品でしなやかなデザインの結晶です。