Tendo
Low Chairs
このブログをご覧のみなさんは、ホッとしたいとき、どんな事をするでしょうか。
朝起きて白湯を飲む。洗濯物を綺麗に収納する。残業前にブレイクする。大きなプロジェクトを片付ける。愛するペットたちと戯れる。気が置けない仲間と集まる。いろいろと出てきます。
そんな中の選択肢、家具が提案できるところとして「安心して腰掛ける」という方法があります。
日本らしい、くつろぎの形。名作で是非堪能してみてはいかがでしょうか。
誰も不幸にしない、日本のモダンデザイン

椅子。腰掛けるという休息のかたちにも、バリエーションは様々。
一般的なダイニングチェアはテーブル等に向かって使う性格上、背筋を伸ばすようにまっすぐとしています。座面の高さはざっくり40~47センチくらい。板座かクッション付きなどでも変わります。
カフェのカウンターみたいにもっと一時的な場所であれば地面の代わりに足をつけるフットバーが付いたカウンターチェアに。座面高はおおよそ60から80センチ、背もたれが無い場合もあり省スペースの考え方がよく感じられます。


ソファやラウンジチェア、イージーチェアはよりくつろげるような安楽性が高いつくりで、座面の高さも35~40センチ前半ほどがほとんど(※近年一般的になったリビングダイニングのテーブルと組み合わせると良いのは大体この辺り)。西洋的な暮らしの考え方ではこの辺りがボーダーラインという事でしょうか。
前置きが長くなりましたが、今回の「低座椅子」は座面高29センチと30台を割る高さ。ちょっと見ない高さになるわけですが、それには特別な理由があったのです。


戦後のモダンデザインを語る上で、外すことのできない建築家 坂倉準三(さかくら じゅんぞう 1901-1969)。
ル・コルビジェに師事し、万博の日本館や国際会館、新宿西口のロータリー広場、渋谷駅 東急百貨店東横店の西館・南館、神奈川県立近代美術館など日本の風景を代表する建築物を多く手がけた大人物。
長大作(1921-2014)はそんな坂倉準三の建築事務所において、多くの実績を重ねたデザイナーなのです。


歌舞伎の大家として知られる八代目 松本幸四郎の邸宅を設計するときに、採用されたのがこの低座椅子。
おおよそ1958年ごろ、戦後日本の暮らしと西洋の暮らしが混ざりはじめているとき。日本の伝統として和室は前提の中、「椅子座」というこれからの生活スタイルを取り入れます。


伝統のみに固執せず、日本の暮らしも尊重する。その結果が、畳に優しいソリ状の脚部。床からも腰掛けやすい座面高。あぐらにお姉さん座り、正座にも対応できる丁度良いバランスがデザインされています。
ジャン・プルーヴェのスタンダードチェアをリデザインした坂倉準三の小椅子たち、そしてシャルロット・ペリアンが提案した竹籠による座椅子。当時日本にモダンデザインを伝えた歴史が重なり、当時の暮らしにふさわしいモダンプロダクトが誕生したのです。



種からほころんだばかりの芽のような、肉厚で自然なフォルム。実際ウレタンクッションは厚みが心地よく、立体的なシートは座るたびに「あ、座ってよかった」と官能を刺激する実感を与えてくれます。

最近作られた建物の暮らしであれば、和室はむしろ贅沢なもの。けれど床から見上げた時のお部屋の高さや地に足ついた安心感は、今も日本の文化として心の遺伝子に根付いています。
このホッとする感覚を味わいたい方に。それこそモダンなデザインですので、ラウンドテーブルを複数脚で囲んでロビーのようなコミュニティスペースを楽しむのも良さそうです。

今回は落ち着いたグレーと、光沢感が少しミステリアスなグリーンの2脚が入荷。ウレタンとファブリックは新調していますので、快適に使える嬉しいコンディション。
少し高くなったお部屋の天井に、普段の暮らしのモヤモヤをそっと解き放ちながら。
ホッとする気持ちを味わってみてはいかがでしょうか。































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