TENDO
Margarita 2P Sofa
1940年、木工の街として知られる山形県天童市に設立した家具メーカー「天童木工」。
剣持勇や柳宗理らと共に日本のインダストリアルデザインの最前線を駆け抜け、今もなお高い人気を誇るプロダクトを数多く発信してきました。
今回はそんな同社の家具作りと北欧のデザインが融合した「マルガリータ 2Pソファ」をご紹介いたします。
やすらぐ和の暮らし
1976年に発表されたマルガリータソファ、デザインを手掛けたのはスウェーデン出身のデザイナー「ブルーノ・マットソン Bruno Mathsson」。
天童木工が初めて契約した海外のデザイナーでもある同氏は、1934年に発表した「エヴァ EVA」をはじめ、人間工学と機能性を重視した安楽椅子で高い人気を誇っていました。
そんなマットソンは1974年に日本を訪れており、そこで独特の生活様式や日本ならではの畳と出会ったことで日本人のライフスタイルや体型にマッチした椅子「Mシリーズ」を天童木工と共同で制作、その中で現在も高い人気を誇る一台こそが今回ご紹介するマルガリータソファです。
天童木工とマットソン、両者共に成形合板の豊富なノウハウを有していたからこそ作り上げられた軽やかで曲線的なデザイン。
明るい木肌のビーチ材を巧みな曲木加工で形成したフレームに爽やかなライムグリーンカラーのクッションが組み合わせられることで、ナチュラルな風合いがたっぷりと感じられるスタイルに仕上げられています。
クッションもさることながら細身のフレームにキャンバス地を張ったハンモックを張ったような構造によって、ふんわりと沈み込む柔らかい座り心地に。
さらに座面が奥に向かって深くなっていることでゆったりとした姿勢で座ることができ、背座全体で体を支えるような感覚に。
シート全体に身体を委ねれば体重を分散され、長時間の着座でも腰への負担が抑えることが可能になっています。
人間工学に基づいたデザインを手掛けてきたマットソンの秀逸なフレーム構造ですが、日本の生活様式を強く意識したポイントが存在します。
それは輪を描くような形状のレッグ部分、「床擦り」と呼ばれるソリ状の脚は一般的なチェアやソファのレッグとは異なり、接地面積を増やすことで重量を分散し畳や床へのダメージを最小限にしています。
2Pソファとしてご紹介してきたこちらのマルガリータですが、フレーム中央の木製コネクターを取り外すことで片アームの1Pソファとしてもお使いいただけます。
その他、2脚の間にサイドテーブルを挟み込んでラウンジのようなレイアウトやコーナーソファのように組み合わせるなど様々な使い方をお楽しみいただけるのもこのチェアの魅力です。
日本とスウェーデンのモダンデザインが邂逅を果たした「マルガリータ 2Pソファ」。
和風のテイストはもちろん、ナチュラルな北欧スタイルのお部屋まで幅広いインテリア空間に馴染んでくれる一台です。
巧みな曲木技術と人間工学のノウハウが織り成すフレーム構造でいつまでも座っていたくなる、そんなソファをこの機会にぜひご検討ください。