ヴェルナー・パントン Verner Panton パントンチェア ダイニングチェア スタッキングチェア ミッドセンチュリー スペースエイジ ~素材ごとに楽しむ、椅子の進化~

UPDATE: STAFF:ツバサ
ヴェルナー・パントン Verner Panton パントンチェア ダイニングチェア スタッキングチェア ミッドセンチュリー スペースエイジ ~素材ごとに楽しむ、椅子の進化~

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Verner Panton
Panton Chair

最近SNSで、動物の進化の過程を紹介する動画をよく目にします。

それがすごく面白くて、あれ、時間を忘れて見続けてしまいますね…。

環境に合わせて長い年月をかけて進化する動物ですが、どうやら、我々生き物だけでなく、家具の世界にもあるみたいです。

技術の進化。椅子の進化。

今回はデンマークデザインの異端児ヴェルナー・パントンが生み出したパントンチェア。世界で初めてのプラスチックによる一体成型キャンチレバーのチェアです。

1960年に開発を始め、7年の年月をかけてやっと発売された初期のパントンチェアは、FRP素材で作られたものでした。

ですが、高価でありつつ、大量生産が困難なため、すぐに硬質ポリウレタン素材に変更されます。

手ごろな価格にし、多くの人に座ってもらいたかったパントンは、1971年に硬質ポリウレタン素材からポリスチレン素材へとまた素材を変えます。

ポリスチレンにすることによって、射出成型という革新的な技術が使えるようになり、効率的な大量生産が可能となりました。

さて、今回用賀店に入っている2種類のパントンチェアはここからです。

既に2回進化を遂げている訳ですが、その際に使用されたポリスチレンには問題がありました。想定以上に経年劣化や耐久性に弱く、破損が多発してしまったのです。

一旦製造を中止し、1983年に再開。そして1984年に作られたのがこちらの艶のある2脚です。硬質ポリウレタンに素材を戻したこちらのモデル。製造はドイツのホルン社。

情報が少なく確証は得られていませんが、HORN COLLECTIONとしてピーター・ギッジー等とプラスティックファニチャーを手掛けていた実力派メーカーが担当したと思われます。

目の前の景色を映し込むほどの強い光沢があり、どこか近未来的な雰囲気をまとったプロダクト。

刻まれたパントンの名と製造年の“1984”が、またたまらなくかっこいいポイントに。

そこからまた年月が経ち、1999年にポリプロピレン素材が導入され、ついに手ごろな価格での量産が実現しました。

くしくも、ヴェルナーパントンがこの世を去った次の年のこと。ですが、ずっと夢見てきた作品が出来上がったのです。

それがこちらのマットな質感でモダンな印象の1脚。

手ごろとは言いつつ、複雑な造形はそのまま。ユニークな形でありながら、ディープブラックカラーで高級感のある佇まいです。

もともと画家志望だったヴェルナー・パントンが手掛けた椅子。優美な曲線、その美しさはもちろんのこと、座り心地も抜群です。

プラスチックだからこそ生み出せる流れるようなカーブが体にフィットするような作りに。

また、体重をかけた時に僅かにしなるため、プラスチックとは思えない柔らかい座り心地を味わえます。

素材によってお部屋との相性は変わるものですが、今回は全く異なる質感のモデルが登場しています。2タイプ揃っている今こそ、取り入れやすい絶好のタイミング!

時代の技術の進化と共に変わり続けてきたパントンチェア。歴史の話だけで長くなってしまいましたが、それだけ今の姿、強度にすることが大変だったという事です。

最初進化とは言いましたが、どの時代のものも、その過程、パントンが歩んできたストーリーを直で感じられる特別なものです。最新のものももちろん美しく、今は亡きヴェルナーの念願の1品。お部屋の中でアイコニックな存在になってくれる逸品です。




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