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Heart Cone Chair
自由をはき違えたナンセンスなデザインで飽和する現代。
デザインは更新され続け過去のものはただ古くなっていきます。
見た目の良さに特化したデザインや使い心地重視のプロダクト。
だからこそ良いデザインは他にない説得力を持ちます。
本日ご紹介させて頂くのは空間をも変える力を持つプロダクト。
圧倒的なデザインと美しいバランスを持つ名チェア“ハートコーンチェア”をご紹介させて頂きます。
浮遊する存在感
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デンマークを代表するデザイナーのひとり、ヴェルナー・パントン。
革新的なデザインに執着しエキゾチックで近未来的なデザインを手掛け、多くの名作を残した名デザイナーとして知られています
衝撃的なプロダクトデザインで知られるパントン。
ハートコーンチェアはその代表的な存在として知られる名プロダクトです。
名前の通りハートのシェイプが印象的なハートコーンチェア。
ボリューム感ある背もたれから下に向かいラインが細くなり脚との接地面は一ヶ所に集まります。
脚は艶消し加工が施されたステンレススチール製。
この構造とバランスにより与えられる浮遊感はパントンが与えたデザインマジック。
空間に浮いている様に見えるこのチェアは演出として優れた能力を発揮する為レストランやホテル等で多く使われていました。
印象的なルックスからか語られることの少ない座り心地も実はこのチェアの魅力。
ウレタンフォームを伸縮性のあるファブリックで包むことで生まれるテンション感とクッション性が心地よい座り心地を実現しています。
大きく取られた背もたれにより安定感も申し分なし。
ユニークなルックスに確りと込められた座り心地もパントンデザインの特徴です。
目を惹く大胆なルックスからこのような逸話も残っています。
ハートコーンチェアが初めてニューヨークに渡った時の話。
チェアは5番街のウィンドウに展示されていました。
道行く人はこのチェアに心を奪われ脚を止め眺めたそう。
これが渋滞を引き起こし警察が出動する騒ぎに。
警察はハートコーンチェアの撤去を命じました。
記憶に残り続ける名チェアと言われますがまさにその通り。
この名チェアは海を渡りニューヨーカーにも衝撃を与えました。
サイケデリック。
そしてスペースエイジデザインの代表格として知られるパントンのデザイン。
ダニッシュデザインの伝統から派生した独自のグルーヴ感はこれまでにない空気感を持っていました。
デンマークモダンとも言われますがこれらの一言でくくる必要は無いと度々思わされるのがパントンのデザイン。
空間インスタレーションや建築等幅広い分野で活躍したパントンは一つのプロダクトで空間をも飲み込むことが出来ました。
このチェアを一脚。
それだけで十分な魅力が空間に充満します。