Verner Panton
Welle
自由をはき違えたナンセンスなデザインで飽和する現在。
平面上で行うデザインは家具と異なり実用性は必要ありません。
だからこそ良いデザインは他にない説得力を持つもの。
主流の形状を壊し試行錯誤を重ねる等、追求する姿勢から生み出されたレイドバックスタイルは一切の無駄を感じさせません。
今回ご紹介させて頂くのは異才が放つ独自のグルーヴ感、そのものです。
空間を飲み込む力
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デンマークを代表するデザイナーのひとり、ヴェルナー・パントン。
革新的なデザインに執着しエキゾチックで近未来的なデザインを手掛け、多くの名作を残した名デザイナーです。
チェアやランプ等、衝撃的なプロダクトデザインで知られるパントン。
そんなパントンが手掛けたのはプロダクトだけではありませんでした。
サイケデリック。
そしてスペースエイジデザインの代表格でもあるパントン。
ダニッシュデザインの伝統から派生した独自のグルーヴ感はこれまでにない空気感を持っていました。
どこか未来的でポップと一言では言い表せないような深み。
この特有の雰囲気は彼の手掛けたパターンにも現れています。
今回紹介させて頂くのはパントンがデザインを手掛けたパターン“Welle ウェーブ”のファブリックボード。
ファブリックはMIRA-X社が製造を手掛けた希少なオリジナル。
連続しうねる波が与える動き。
存在感ある大ぶりなサイズ感のパントンのファブリックボードは珍しく、だからこそデザインの魅力に引き込まれます。
ウェーブが本来もつ連続のグルーヴ。
小さく切り取るとその美しさは損なわれてしまいますが、このボードには一切感じません。
フラワーポットに込められた反戦の想いや、世界初の一体成型のチェアを完成させたことでも知られるパントン。
スペースエイジデザインとひとくくりにされることも多々ありますが、繰り返されるパターンに不思議な力を感じさせられます。
ドリスヴァンノッテンが19年春夏コレクションでパントンのパターンを使用したことも記憶に新しい出来事。
服に纏う連続の色彩はランウェイで強い魅力を放ちました。
時代を超える名デザインを手掛けたパントンならではの出来事だったように思います。
すべてを飲み込んでしまう様なエネルギー。
空間インスタレーションや建築等幅広い分野で活躍したパントンの作品はその空間をも変えてしまう力を持ちます。
試行錯誤の努力と現状を打破するエネルギーが生み出した新しいパターン。
きっと設置した場所にもうねりをもたらしてくれるはず。
今尚強い影響力を放つ、名パターンのご紹介でした。