LANE
CoffeeTable
本格的に寒くなってきましたね。私はというと数年前に古着屋で手に入れたお気に入りのコートで毎日寒さを凌いでいるのですが、みんな声を揃えて「どこのコート?」「いいね!」「ちょうだい」と毎冬褒めてくれるのでうれしい。
そのコートはブランドも年代も不明で、わかるのは「Made in Finland」ということだけ。 “存在感はあるのに正体がわからない”もどかしくもあり、かえって愛着と魅力が増すばかり。
名も無い名作の魅力

今回入荷したこのテーブルも、まさにそんな存在。1912年創業のアメリカ老舗メーカー、LANE社製であることは確かですが、情報はほとんどなし。しかし、名作と呼べる存在感を放っています。


このデザインの類似品を探すとウォールナットやオーク材がちらほら出てくるものの、エルム材で作られた例はなかなか出てこず。その希少価値の高さが伺えますね。

ガラス天板と無垢材フレームの組み合わせは、ミッドセンチュリー家具ではよく見られる定番のスタイル。
しかし、エルム材を使うことで印象がガラッと変わり、独特の存在感。重すぎず、木目の素朴さとガラスの軽やかさが絶妙に調和した、バランスの良い一台です。

さらに興味深いのがデザインの出どころ。USミッドセンチュリーを代表するニューヨークの建築家Adrian Pearsall が手掛けたという説もありますが、明確な記録はなく、真偽は不明。
この確証のなさが、このテーブルを“謎めいたビンテージ”としてさらに魅力的にしているのでしょう。

とはいえ、脚の流れるような曲線やフレームの立体的な造形を見ると、Pearsall の作風を連想させる部分が多く見受けられます。正式な証明がなくてもその影響を感じさせる一台です。

ブランド背景、デザインの謎、そして希少なエルム材――なんとも語りがいのある一台。
はっきりとしないその正体に奥深さと魅力が増す隠れた名作。ミッドセンチュリー好きなら、コレクションとしてもぜひ注目していただきたい存在です。











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