Laukaan puu
Pirkka Chair
ドムスチェアは、学生が長時間机に向かって勉強するための椅子。
ファネットチェアは、使われなくなってしまったスキー用品を作るためのバーチ材を大量消費するために生まれた椅子。
Ilmari Tapiovaara(イルマリ・タピオヴァーラ)のデザインはどれも生活に根付く「人々のため」に作られたものでした。
ピルッカのある日常
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そしてもちろん、この「ピルッカ | Pirkka」もフィンランドでは欠かすことのできないサウナのために考案されたもの。
休憩時に腰掛けて涼むためのスツールの誕生から、チェアやベンチ、テーブルと多くのプロダクトへ派生していきます。
とはいえ、その佇まいに大量生産品のような生活感は全くといっていいほど感じられません。
「工業デザイナーとはアーティストであるべきだと思う」と語った氏の創造力が、オリジナリティに富んだデザインへと繋がっているのでしょう。
まずスツールと同様に、2枚のパイン集成材を木ダボで繋げた座面が特徴的なダイニングチェア。
サウナと聞いて、なるほど通気性を良くするためかと思いきや、実は負荷を分散させ衝撃を吸収するためのサスペンションの役割を果たしています。
さらに小枝のような愛らしいフォルムの脚部。一見独特のデザインだと思うこの部分にまでしっかりと強度へのこだわりが詰まっています。
背もたれのスティックを脚に繋げ、細く小さなパーツを追加する。座面を4つの三角形で支えることで、高い耐久性を実現しているのです。
こぢんまりとかちょこんとか、そんな言葉がしっくりくるほど小さくて可愛らしいピルッカチェア。
もしかするとこのサイズ感を叶えるために、ここまでのディテールが必要だったのかもしれません。いずれにせよ、それが無二のデザインになったのもまた事実です。
わずか10年ほどの短い期間だった、Laukaan puu(ラウカンプー)社での製造。この焼印が刻まれたピルッカをお探しの方も多いことでしょう。
長く暮らしに溶け込みながら使われてきた中で、存在感にも磨きがかかっているように感じられます。
食卓椅子としての実用にも、玄関先の飾り椅子やベッド脇のサイドテーブルとしてもただ眺めるコレクションとしても。
新たな場所で新たな日常に溶け込ませてほしいと思うビンテージアイテムです。