Herman Miller
LCW
とにかく一度座ってみてください。座り心地をぜひ試していただきたいのです。
するりと自然に奥に向かってお尻が滑り、背もたれは柔らかくしなる。この着座感、百聞は一見に如かず。
これこそが「優雅で、軽やかで、快適」と評される20世紀最高のデザイン(by TIME誌)なのです。
20世紀の頂点、ここに
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Lounge Chair Wood (leg)の頭文字をとって、通称・LCW。正式には「プライウッドラウンジチェア | Eames Molded Plywood Lounge Chair」。
1946年に製品化されたこの椅子は、イームズ夫妻とHerman Miller(ハーマンミラー)社の関係をスタートさせたはじまりの椅子でもあります。
もともと Eero Saarinen(エーロ・サーリネン)とともにプライウッドチェアを作ろうと試行錯誤していたイームズ。
残念ながらその技術を最初に生かせた場所は家具ではなく添え木でした。戦争で負傷した人の足を固定するためのレッグスプリントです。
ただその時の量産技術がのちのイームズデザインの礎となったのもまた事実。このLCWもその例に漏れず、夫妻の原点となりました。
研究の成果であり努力の結晶でもある名プロダクトながら、ポテトチップチェアなんて愛称でも呼ばれるチャーミングな一面も持ち合わせています。
ちなみに、ポテトチップの由来は背座の形。たしかにそう見えます。緩やかな曲線を描く横長の広々シェイプ。
この絶妙なラインがフィット感を生み、しっかりと身体をホールドしてくれる。ポテトチップこそ快適な座り心地に欠かせない存在です。
そして、その裏でひっそりと活躍する縁の下の力持ちも忘れてはいけません。背座が主役なら、このパーツはいわば名脇役とでも言いましょうか。
座る人の体重をぐっと支えしなりを作るゴム製のショックマウント。一番の難点とされた接合を実現したことにより生まれた掛け心地は、もはや快適を越えて至極といえそうです。
イームズプライウッドチェアに次ぐTIME誌が選んだ20世紀最高のデザイン・第2位は蒸気機関車だそうです。びっくり。
デザインの定義の広さにも驚きですし、そんな莫大な数の中から20世紀の頂点に選ばれた椅子が今目の前にあることにも驚いています。
確かに、座らずともなんだか眺めていたくなる美しいデザインをもつLCW。
言葉にするのはやっぱり難しいのですが、どんなに一緒に居ようとも座り飽きることも見飽きることもない。これだけは断言できます。