Herman Miller
Airport bench
本日は、旅の記憶を宿した歴史を語るコレクション" ハーマンミラー / Herman Miller "『 ビンテージ エアポートベンチ 』のご紹介♪
日常のトランジット

1950年代の終わり、飛行機による旅は大衆のものへと広がり、世界中で巨大な近代空港が次々とつくられました。そこで必要とされたものは、毎日たくさんの人が座ってもびくともしない、圧倒的に頑丈で機能的な「新しい椅子」でした。



この課題に挑んだ巨匠イームズ夫妻が導き出した答えは、1本のアルミの梁に、おなじみのアームシェルをパズルのように並べて繋げていくという、驚くほど合理的でモダンな仕組みでした。こうして1963年、この美しく並ぶ4連のベンチが誕生したのです。
そして、世界屈指の離着陸回数を誇るアメリカ最大級の巨大ハブ空港のシカゴ・オヘア国際空港や、エーロ・サーリネンが設計を手掛けたワシントン・ダレス国際空港といった2つの主要空港での大成功をきっかけに、世界各地の空港や公共施設で採用されていきます。



もともとこのアームシェルは、イームズ夫妻が「あらゆる体型の人に心地よくフィットするように」と、たくさんの人に何度も何度も座ってもらいながら、気の遠くなるようなテストを経て削り出した曲線でした。
家庭用として生まれた優しい座面が、空港という過酷な場所を生き抜くために、頑丈な金属の鎧を纏った姿。
それは単なる家具という枠を超えて、世界中の空港で何千万人もの旅人が過ごす「待つ時間」を、ずっと静かに支え続けてきた機能美の結晶でした。



遠い空への出発口が、今、この部屋の終着地になる。かつて幾千もの靴音が通り過ぎ、旅人が置き去りにした退屈や、旅立ちの緊張感。そんな非日常の気配をすべて吸い込んだFRPのシェルは、部屋の優しい光の中で、唯一無二のビンテージの陰影を描き出します。
プライベートな椅子として生まれ、パブリックの象徴となり、またひとりの日常へと還っていく。
公共空間のために計算し尽くされた無駄のない幾何学。その圧倒的な機能美が、部屋という閉じられた日常に心地よい異物感を与えます。そこは空港の無機質な美しさと、部屋の心地よさが交差する場所。
ただ座ってコーヒーを飲む時間が、特別なトランジットに変わる。

出発口に 荷物を下ろし
目的地が 部屋になる











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