Herman Miller
Vintage Side Shell Chair 2nd

現行品やユーズド品が多く流通しており、日本国内でも、誰しもが見たことのあるチェア。今となっては、当たり前のようなこのチェアも、イームズ夫妻による革新的な開発から現在に至るまで進化し続けてきました。

今回はその進化の過程で生まれた一脚を紹介させていただきます。

モダニズムのパイオニア

今回ご紹介させていただくのは、ハーマンミラー社製のビンテージの“Side Shell Chair 2nd"

1950年に販売が開始されたこのチェアは、世界初の背座一体型のFRPを使ったチェアとなりました。ファイバーグラスで補強されたプラスチックという新素材によって、三次曲面を作る事ができ、また大量生産も可能にしました。

イームズと言えばこのチェアを思い浮かべる方も多いかと思います。

シェルチェアは製造年代によって”1st" "2nd" "3rd"と呼ばれています。製造会社や販売会社が異なるため、それぞれに特徴があり歴史を感じることができます。

こちらは、その中でも1955～1970年代に生産されていた”2nd"になります。

"2nd"の年代ではハーマンミラー社が製造と販売を行っていました。

"1st”には劣るものの"3rd"に比べて、グラスファイバーが多く使われており、個体によって表情が違い、面白いです。

シェルの裏側にハーマンミラー社のロゴと大文字の社名のエンボス加工があることなどがあります。

またマウントポジションが２種類（ナローマウントポジション、ワイドマウントポジション）あり、固定するベースによって取り付ける場所が変わる仕様になっていました。

ガラス繊維の量などでシェル自体も二つとして同じものは存在しないことに加え、ベースも組み合わせることで自分好みの唯一無二を探してみることもたのしいと思います。

こちらの品は、アプホルスター仕様でポップなオレンジカラーのレザーをシェルに貼り、都会的なシルバーのエッフェルベースという構成。まさにモダニズムといった一脚。

有機的な空間にも、無機質な空間にもマッチします。

ミッドセンチュリーを代表する不朽の名作です。