Herman Miller
2nd vintage arm shell chair
ミッドセンチュリーを代表するチェアとして長年愛され続けているシェルチェア。
当時はまだ、木製家具が一般的だった時代にFRP素材を使用することで、耐久性、量産性に優れた椅子が生まれました。
背座の一体成型によるキャッチーなフォルムと、様々なカラーバリエーションによって、工業系デザインに大きな影響をあたえた名作チェアは今なお絶大な人気を誇っています。
触れて座って楽しい椅子
デザインを手掛けたのはチャールズ&レイ・イームズ夫妻。
機能性や合理性を備えたデザインを追求した彼らは、成型合板の椅子を開発するなど革新的な素材やデザインのプロダクトを多く発表しています。
また、著名な建築家やインテリアデザイナーとの交流も多く、インテリアデザインの発展に大きく貢献している夫妻です。
製造年代によっていくつかの呼び名があるシェルチェア。
こちらは2ndビンテージ(グラスファイバー量が多いモデル)と呼ばれる1955~1970年代に生産されたシェルの中でも、座面裏にエンボスロゴのない”すっぴんモデル”の愛称がついている1956-1959年の4年間に生産された個体です。
すっぴんモデルは2ndビンテージ特有のたっぷりとしたファイバー量に加え、触って分かる程のシェルの薄さが特徴。
エッジ部分の薄さが特に顕著で、2nd以降は均一に、ボテッと内側に巻き込まれるように成形されているのに対し、シャープに成形されています。
エッジ部分を触った感触はすっぴんモデルの方が引っ掛かりが少なく、部位によって厚みの変化があるので、感触の違いを楽しめます。薄さへの驚きや、細かな違いを発見する楽しさからついつい触りたくなってしまいます。
シェルの薄さを体感した後だったので、「ビンテージだし壊れないかな、、」と、一抹の不安を抱えつつ座ってみましたが余計な心配でした。
アームや背中のゆったりとしたカーブが身体にフィットし、包み込むような座り心地でシェルの薄さを感じさせません。
薄いシェルでもこんなにも安定感がでるものなのかとなんだか感動してしまいました。
FRP素材は日焼け等の劣化が気になる素材ではありますが、時には窓辺に。”すっぴんモデル”は陽光を透過する程薄いので、内部のグラスファイバーがじんわりと透けてとても綺麗です。
近くに観葉植物やオブジェを一緒に置くと影が投影されてまた違った表情を楽しむことができます。
ビンテージ品ならではの違いを視覚でも触覚でも楽しめる一脚です。この機会に是非お部屋に取り入れてみてはいかがでしょうか。