Haimi
No.417
誰しもが持ち合わせる思想。
他の人と違う存在でありたい。
これは、時代問わず人間の根底にある愚かな本能なのかもしれません。
なんて、どこか棘のある言い方で綴り始めた私も、実はセレクトショップの服や被らない古着が大好き。
先日もかなりお高めの眼鏡を購入し、ここぞとばかりに街中でアピールしてました ー〇~〇ー。
承認欲求が強いんでしょうね、愚かです。ははは。
今回はそんな私みたいなオンリーワン精神を持った方々に是非お勧めしたいアイテムをご紹介いたします。
最近だと手に入らないコレクターズアイテムなので、ブログを読み終わる頃には他の方の手に渡っているかもしれませんね。
隠れた名作。
>>この商品の詳細を確認する
こちらは、”ハイミ Haimi ” の 『No.417 ラウンジチェア』です。
フォルムの流線形が有機的。
ファブリックの色使いが軽やか。
アメリカのミッドセンチュリー家具を連想された方が多いと思いますが、実はフィンランドの北欧家具なんです。
手掛けたのは、”ウリヨ・クッカプーロ Yrjo Kukkapuro ” 。
機能主義で知られるIlmari Tapiovaara(イルマリ・タピオヴァラ)を師匠に持ち、人間工学と素材の特性を生かした椅子のデザインを多く手掛けました。
人間工学に基づいたプロダクトを手掛ける彼の才能は家具だけに留まらず、劇場や空港ターミナル、駅なども手掛ける公共空間のデザイナーとしても活躍。
数々のデザイン賞にも輝き、世界中の美術館でコレクションされています。
フィンランド家具と言えば、アルヴァ・アアルトやイルマリ・タピオヴァラといった機能主義を重んじるデザイナーが手掛けるプロダクトが一般的。
戦後間もない経済的にも疲弊している時代で、民衆が本当に必要としている家具を量産しようと考えていたからです。
ですから、木を用い無駄を省いたミニマルなデザインが多いのがフィンランド家具。
しかし、このNo.417。
お世辞にも全くフィンランド家具さを感じません。
タピオヴァラの意思を引き継いだはずのクッカプーロは、デザイン思考に変わってしまったのでしょうか?
いいえ。
師匠が探究し続けた機能性はクッカプーロのすべてのプロダクトに反映されていました。
1965年、雪原に座ってできたくぼみを見てデザインを思いつた”カルセリチェア” 。
独創的で美しいデザインは瞬く間に世界中の人々を魅了し、20世紀の名作チェアとして今も尚、愛され続けています。
その中でも特に評価されたのが機能性。
カルセリチェアの人間工学に基づいた性能は確かな安楽性を誇り、デザインと機能性を両立して見せました。
カルセリチェアと似て非なるNo.417。
構造に関しては文献が無かったので詳しいことは言えませんが基本構造は同じなので、名作に劣らない機能を持っているといえます。
後傾気味で娯楽性に特化したカルセリチェアに比べ、No.417は娯楽性も利便性も実現できるデザイン。
ワークシーンでも使えるようユーザーの幅を広げるために、デザインしたのではと勝手に推測します。
年代はおそらく1970年代。
初期の作品はハイミ社から発表され、その後はフィンランドのアヴァルテ社へと移行しているそう。
今回はハイミ社の個体なので、ビンテージの中でも古いものと思われます。
さらに調べてみると、最近ではフィンランド現地でも中々見つからない希少アイテムだとか。
フィンランド家具らしくない。
そう思ったのはミッドセンチュリー家具の名作、エーロ・サーリネンのチューリップチェアに似ていると感じたから。
実は、サーリネンはアメリカで活躍しておりましたが出身はフィンランド。
ひそかに影響を受けていたのかもしれませんね。
シェルデザインがチューリップチェアにそっくり。
素材も当時流行し始めていたFRPを使用し、滑らかなで自由なフォルムを実現しています。
フレームにはスチールを採用。
ホワイトカラーが洗練された佇まいを思わせつつ、重たい印象を抑えてくれます。
フレームデザインもチューリップチェアよりチューリップ感がありますよね。
イエローファブリック。
単色の色使いと滑らかなで自由なフォルムはまさに、アメリカのミッドセンチュリー家具(フィンランド家具です)。
弊社張替え済みなので状態はとても綺麗です。
唯一無二の隠れ名作を是非いかがでしょうか。
デザイン性も。
機能性も。
物語性も。
希少性も。
そんな我儘な方にピッタリなNo.417。
手に入れたあなたの存在は、類を見ない特別なものになる。かもしれませんね!