Nuutajarvi
Special Cube 255/500
ガラス作品と聞いて、皆さんはどんなものを思い浮かべるでしょうか。
透き通るような美しさ、色ガラスが織りなす鮮やかな模様、職人の手仕事によって生まれる繊細な造形。
もちろん、そういった魅力もありますが、今回ご紹介する作品は、そんなイメージをちょっと飛び越えてくるような一品です。
自然とデジタルが交差するガラスアート

本日ご紹介するのは、フィンランドの老舗ガラスメーカー、ヌータヤルヴィの「スペシャルキューブ」。
1793年に創業したヌータヤルヴィは、フィンランドのガラス工芸を語るうえで欠かせない存在です。
同社では、フィンランドを代表するガラスアーティスト、オイバ・トイッカが手掛ける「アニュアルキューブ」を1977年から制作してきました。
毎年異なるデザインで発表される、こちらのシリーズ。その中でも、特別な出来事を記念して作られたものがスペシャルキューブです。
今回入荷したのは、500個限定で制作されたうちの255番目。底面には「255/500」の刻印が入っています。

作り方にも、ガラス作品ならではの面白さがあります。
透明なガラスの中に、色ガラスや気泡を閉じ込めていくペーパーウェイトの技法が用いられています。
表面に模様を描くのとは違い、ガラスの内部に立体的な造形が広がっているのがポイント。正面から眺めるのはもちろん、横や後ろから覗いてみると、また違った景色が見えてきます。

まず目に飛び込んでくるのは、透明なガラスの中に浮かぶ、青緑のキノコのような造形。
海の中を漂う海キノコでしょうか。それとも、地球にはまだ発見されていない小さな生命体でしょうか。
内部に散りばめられた気泡も相まって、なんとも不思議な光景です。
ガラスの中に閉じ込められているはずなのに、今にも動き出しそうな生命感がある。重力なんて関係ないと言わんばかりに浮かぶ姿も、見ていて面白いところです。

その下には、サンゴ色のガラスがリボンのように幾重にも重なっています。
地図の等高線のようにも見えますし、一昔前の3Dモデルのようにも見えます。
自然界にありそうで、実際には見たことがない。手仕事で生まれたものなのに、どこかデジタルな雰囲気もある。
こうして眺めていると、何をモチーフにしたのか考えるよりも、自分の中で自由に想像を膨らませること自体が楽しくなってきます。

色使いも印象的です。
赤と緑という、はっきりとした色の組み合わせ。そこに透明なガラスが加わることで、色彩がより鮮やかに引き立っています。
光が差し込むと、内部の気泡がきらきらと輝き、ガラスの中に奥行きが生まれます。
なんだか、サイバーパンクなデジタル生命体が海の中を漂っているような……。
自然物のような有機的な形をしているのに、どこか人工的でポップ。この不思議な組み合わせが、なんともクセになる作品です。

自然界の生命力と、デジタルアートを思わせるポップさ。一見すると相反するような要素が、透明なガラスの中で不思議とうまく調和しています。
自由な発想から生まれる、こうした想像の余地もオイバ・トイッカの作品の面白さではないでしょうか。
しかも、ガラスの中に広がる造形や気泡の入り方、色彩の重なり方は、一つひとつ異なるもの。同じデザインであっても、まったく同じ表情の作品はありません。
光の入り方や眺める角度を変えながら、自分だけのお気に入りの景色を探してみる。
そんな楽しみ方ができるガラスアートを、お部屋にひとつ迎えてみてはいかがでしょうか。































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