NY chair X
Folding chair
1970年の発表から世界各国で注目を浴び、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久コレクションにも収蔵されている名作「ニーチェア NY chair」。
写真ではとってもお洒落で、優れたデザインを持つチェアとして空間映えするこちらのアイテム。
しかし私が最初にこのチェアを目にして感じたのは、"道具として心地よく、信頼できるものだ"ということでした。
アウトドアな使い心地で、極上の座り心地。
ニーチェアXの産みの親である"新居猛"氏は、このチェアについて「多くの人に愛される "カレーライス" のような椅子」と表現しています。
カレーライスのいい所は、安くてもちゃんと美味しくて、栄養が満点なところ。
ニーチェアX は、まるでそんなカレーライスの魅力をそのまま椅子に置き換えたかのように、
無駄なコストがなく、誰もが座って心地よいと思える座り心地で、丈夫で軽く、フォルムも美しい。
そんな要素全てをしっかりと兼ね備えたチェアを創り出しました。
しかし、素材や作り自体がシンプルであるが故に、実際に製作するには綿密な調整、拘りのクラフトマンシップが求められます。
例えば、スチールポールの丁度良い肉厚感。
径も細すぎないので手に取りやすく、程よく重心もしっかり。
手に取るとそのクオリティの高さがとてもよく伝わってきて、絶妙にぴったりなバランス感、
堅牢なのに軽量で折り畳んだ時の持ち運びがしやすく、触れていて心地が良いチェアです。
贅沢な自然素材を使用している点も、ニーチェアXの心地良い座り心地を生み出す大切なポイント。
シンプルな造形に削り出されたアームレストは、滑らかな木肌を持つブナ材製。
ナチュラルな色合いはどんな空間にも馴染み、スチール製のベースと共に充実したコントラストを奏でます。
なんといっても、シート全体に使用されている帆布は、1888年創業より伝統を紡ぎながら上倉敷帆布を製作している "丸進工業" が手掛ける一級品。
丈夫な帆布はその分だけ硬くなる傾向にありますが、丸進工業の倉敷帆布、中でもこのチェアの為に生み出された帆布は、丈夫で堅牢であるにも関わらずそれに反した柔らかさ、しなやかさを持つという点が 他の帆布にはない特徴です。
ニーチェアが持つ "ハンモック" のような構造自体も人間工学を取り入れたものではありますが、やはり実際に座った際の質感というのは "リアルな素材、リアルな作り" が大きく決定付けていくもの。
丸進工業の倉敷帆布は "一生もの" ではなく、 "二生もの" の品質である事で知られており、今もニーチェアXの為に用意された専用機で帆布が製作されています。
この帆布シート自体、取り換えができるようになってはいるのですが、ここまで贅を尽くして作られている帆布。ずっと大切に使い続けるという楽しみ方もできそうですね。
まさに日本が誇るクラフトマンシップを総動員して作り上げた、世界的にも唯一無二の一脚「ニーチェア エックス NY chair X」。
実際に座ってみるとお分かりいただけると思うのですが、女性が運べる重さ、折り畳み式のチェアでありながら、高級ラウンジチェアのような寛ぎ心地で、このギャップにびっくりされる方も多くいらっしゃいます。
見た目は"気取らずとも上質さが際立つインテリア"。
座ってみると"高級ラウンジチェア"。
そんな新しい位置づけを生み出したとも言えるニーチェアXは、ホームユースには勿論アウトドアシーンにおいても絶大な人気を誇り、世代問わず何方にでもお勧めできる一脚です。
落ち着きあるグレーカラーは、これからの季節に是非、ご検討くださいませ。