dugudagii
BUNCHIN
ホラー映画やお化け屋敷は苦手なのですが、ちょっとでも可愛いとかコミカルな要素が入るだけで随分と印象が変わります。
そういえば、だいぶ昔に大好きだったクリエーターさんが中目黒の一軒家でホラーカフェなるものを開催していたことを思い出しました。
ホラーは怖いんだけれどその世界観を体験したくて。そこで食べられるキモ可愛いスイーツが食べたくて。
でも当時は在京していなかったのと短期間の催しだったために結局行けずじまい。なんだか悔しい思いまで蘇ってきました。
表裏一体を表現する
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がいこつ×草花。相反する印象をもつ2つのモチーフを使って表現されたアーティスティックなペーパーウェイト「BUNCHIN」。
2000年に立ち上げられた福崎進によるアートワークレーベル、dugudagii(ドゥグダギ)の初期作品です。
もともとスケートデッキのデザインがしたい、絵で食べていきたいとドローイングアートを中心に制作していた福崎氏。
新たな表現を求める中で自分の絵を立体化させるという発想に辿り着き、その創作活動を2Dから3Dへと転換することとなります。
葉脈が血管のように見える。花が臓器に見える。果実が脳みそに見える。植物をただ綺麗と見るのではなく、人間の肉体と同じような生命としてみる独特の視点。
別に花が好きだったわけじゃない、と語る氏が草花を作品に用いたのは、その生命力をひとつに編集したいという思いが生まれたからだそうです。
さらに、がいこつのモチーフにもしっかりと理由があります。ストリートカルチャーの根源にあるマインドのひとつである、権威への反発。その象徴というわけです。
生と死、美と醜、善と悪。この小さな透明のレジン(今は経年で少し黄色くなっていますが)には、これでもかというほど表裏一体の要素が詰め込まれていました。
でもこのギャップがある組み合わせというかアンバランスなコンビネーションが調和し、手にする人にさまざまな印象を与えているのもまた事実。
裏面にはひとつひとつ異なるメッセージが書かれていて、一点ものの優越感と遊び心に浸ることができるのも魅力的だと思います。
皆さんは、手紙を書きますか?本を読みますか?紙が風で飛ばされないように固定するために使われるペーパーウェイト。
あらゆるものがデジタル化した現代で、実際にこの“重し”を実用する場面は少なくなってしまっているのかもしれません。
それでもその多くはデザイン性に富み、インテリアとして取り入れたいものばかり。アート作品としてのアイデンティティをもつドゥグダギのBUNCHINもまたそのひとつです。