TECTA
K22 SIDE TABLE
デザインに意味や由来を求めるユーザーが減少した現代。
デザインは何の意味を持って存在するべきなのでしょうか。
最早デザインに意味を求める行為はナンセンスと捉えられるのかもしれません。
本日紹介させて頂くのは強烈な衝動から生まれた名作。
誰もが知るベストセラーのご紹介です。
底知れぬエネルギー
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ドイツ“テクタ TECTA”。
バウハウスのデザイン思想を正確に伝承する数少ないメーカーです。
今回ご紹介させて頂くのは、そんなテクタの代表的プロダクト「K22 SIDE TABLE」。
東西冷戦時代の1972年。
テクタは東ドイツ生まれのアクセル・ブロッホイザーが西ドイツへ亡命した際に設立されました。
設立のきっかけはブロッホイザーがまだ東ドイツにいた26歳のある日のこと。
あるスケッチとの出会いでした。
バウハウス時代にデザイナー、ペーター・ケラーがデザインした一枚の家具スケッチ。
ブロッホイザーはこのスケッチに心を揺さぶられ、強烈にバウハウスデザインの作品を作ってみたいという衝動に駆られました。
しかしそこは70年代のドイツ。
当時の東ドイツ政府は、バウハウスの思想を危険な個人主義と見なしておりブロッホイザーだけでなく彼の家族も弾圧を受けることになりました。
そして1972年、ブロッホイザーは父親と西ドイツへの亡命を決行。
様々な困難を乗り越えたのちにローエンホルデという町に行き着きます。
念願のバウハウスのデザインに着手することが出来たのです。
そうしてブロッホイザーが手掛けたのがテーブル「K22」でした。
バウハウスといえば余計な装飾を排除したシンプルで機能的な美しさ。
K22はまさに理想の形を持つ名作です。
仕様や特徴は最早説明不要なのかもしれません。
特徴的なフォルムはアメリカの現代美術家、アレキサンダー・カルダーのモビールから着想を得たそう。
かつてデザインに命の危険に伴った時代。
今ではかなり想像しづらいのかもしれません。
危険を冒してでも行動させる、デザインには計り知れない魅力とエネルギーが込められています。
だからこそ生まれた名作は清々しいほどにシンプルで機能的。
何となくで選ぶシーンが増えた現代、今一度触れたい名プロダクトのご紹介でした。