Snedkergaarden
TRISSEN
デザインはデザイナーの思想や哲学、人柄を反映するもの。
一見シンプルなデザインにもデザイナーの想いが込められています。
本日ご紹介させて頂くのもまた、デザイナーの人柄と想いを纏った逸品。
デンマークで生まれた美しく機能的な形を持った名作です。
優しさの造形
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今回ご紹介させて頂くのはデンマークのファニチャーブランド“スネカルガールデン / Snedkergaarden”の「トリッセン / TRISSEN」。
通称「ボビンスツール」です。
30年以上の歴史を持つ小さな工房スネカルガールデン。
価格競争や生産数を無視し品質が一番であると詠う拘り深い工房です。
昔ながらの製法でデンマーク伝統の木工技術を今に伝えており、その品質と完成度の高さから高い評価を受けています。
デザインを手掛けたのは北欧を代表する女性デザイナー、ナナ・ディッツェル。
1950年代のデンマーク家具デザインの黄金時代をフィン・ユール、ハンス・J・ウェグナーらと共に築き上げました。
家具デザインだけではなく、インテリア小物、ジュエリー、テキスタイルなど、多方面にわたり活躍したことでも知られる名デザイナーです。
女性であり母でもあったナナ・ディッツェル。
彼女のデザインの原点は生活や暮らしの中にあったそう。
空間を邪魔しない削ぎ落された美しさやモダンでありながらも柔らかさを感じさるデザイン。
独特の優しい空気感は日常から産み落とされたからこそ生まれたのではないしょうか。
一見シンプルな構造を持つトリッセンには不思議と空間に馴染んでくれそうな魅力があります。
トリッセンがボビンスツールと呼ばれる所以。
それは独特の造形にあります。
糸を巻くための筒状の道具、ボビン。
トリッセンとはデンマーク語で「糸巻き」を意味する言葉だったのです。
様々な物からインスピレーションを得て、女性ならではの視点を持ち美しく機能的な形を作り上げたナナ・ディッツェル。
トリッセンはまさしく彼女らしいデザインがなされた逸品といえます。
「美しさというものには決して低い評価を与えてはならない底知れぬ力がある」
このように遺したナナ・ディッツェル。
女性的な優しさや、自然の美しさに対する敬意。
草花の美しさや、生物や昆虫のフォルムなど、美しいと思ったものをデザインに生かすセンスの根底には美への強い信念がありました。
分厚いオークの無垢材が重厚に使われているにも関わらず、デザインの良さからとても軽やかな印象を与えてくれるトリッセン。
今回入荷したのは、より軽やかで鮮やかな印象のターコイズブルーのカラーリングがなされた逸品。
素材への敬意は浮き出た杢目にも表れており、鮮やかながら品を感じさせる佇まいにナナ・ディッツェルの人柄を感じます。
元々子供用にデザインしたスツールの延長として展開されたこともあり、使い方は自由。
スツールとして腰かけても、サイドテーブルとしてもお使い頂けます。
空間に溶け込みながらも、想像力を掻き立てる名作のご紹介でした。