STANDARD TRADE
DSK-05B SEMI-ORDER TABLE/DESK
暑い日にアゲハは翔び、セミが鳴いて、トンボが浮かぶ。
日本の夏でございます。もう少ししたら甲子園もはじまるでしょうか。
私事ながらこの機会を逃さず夏の食を頂こうと半田そうめんを取り寄せてみました。そうめんよりはひやむぎの太さが好きなので、通常のそうめんより太いのが特徴の半田そうめんをチョイス。大葉やショウガと一緒に食べてみたいと思います。
こじつけとはなりますが、本日のご紹介はそんな日本で生まれたテーブル。日本が世界から評される「丁寧」という言葉。それが良く似合う素敵な1台です。
標準商標?
今回のテーブルを手掛けたのはスタンダードトレード | STANDARD TRADE。
1998年、千駄ヶ谷に設立された特注家具製造所がはじまりとなっています。
建築を学んだ代表 渡邊氏が家具造りを学び、パシフィックファニチャーサービスの母体でもあるユナイテッドパシフィックス、造作家具から内装など幅広く手掛ける日信装備を経て設立されたスタンダードトレード。
そのアイテムは、いずれもスタンダード。いわゆる「派手」なものではありません。
イタリアの家具のように華麗さを表現する訳でもなく、デンマークの家具のように見た目に伝わるハンドクラフトを表現する訳でもない。
けれどもこのアイテム、とっても素敵なんです。
ベースとなるのはDSK-05Bというタイプのデスク/テーブル。
今回はセミオーダーによって色々と特徴が加えられています。
天板はナラ材の突板仕様。公式のホームページを拝見すると通常脚部の上端から天面まで平滑になっていますが、今回は僅かに段差が付けられています。
同じデスクでレザートップ(革張り)の仕様が段差ありなので、おそらくこの仕様に準じているのではと思います。少ない面積ではありますが、これによって天板へ視線を集める効果が出てきます。
脚部は天板の端まで寄せられて、脚回りの自由さを想像させてくれるスペースを作りだしていますね。
脚先にかけて絞りが掛けられたテーパードレッグ。これがストレートレッグならどこか図工室にありそうな雰囲気になりますが、このディティールによって「暮らす場所」に相応しい洗練が生まれています。無駄が一切ありません。
そして天板長辺には抽斗が計2杯しれっと装備されています。
杢目がきっちり揃えられているのでごちゃっとはしていませんが、とても便利。
カトラリーからリネン、文具と手近にあると効率的なアイテムを収納して頂けます。
派手ではないけれど、便利。愚考ながら私はこの雰囲気がどこに由来するのかと考えてみました。
一つ思い浮かんだのは戦後の話。スタンダードトレードが設立された千駄ヶ谷も、現在ショップがある場所横浜の山手も元々進駐軍が住まっていた場所。
米軍が日本で暮らすにあたって必要な家具を、様々な日本の企業が手掛けました。華美過ぎず、品の良いもの。
パシフィックファニチャーサービスのDHシリーズもその時の家具を復刻したもの。
日本がこれから復興していくときに目標の一つとなった、相手国の「良質な家具」。これが雰囲気として通底しているのではないか、なんてそうだったら・・・素敵ですよね。
今回のサイズは幅140、奥行80、高さは70センチと標準的な大きさ。
ご家庭でも、オフィスを無機質にしたくないなんて方にもお勧め。
外連味は無くとも、使うごとに大切に思える「良質な家具」。
是非この機会にいかがでしょうか。