Steiner
Tulip Chair by Pierre Guariche
見た目の美しさと機能美で多くの人々を魅了し続ける名作アイテムの数々。それらの多くはデザイナーによる緻密な設計や感性よって生み出され、長い年月が経った現在まで高い評価を受け続けております。
そして年月を経た事で新たな表情を見せるビンテージアイテム。経年変化する事で新品とは異なる新たな魅力を生み出しています。
洗練されたデザインと荒々しい素材感の共存
フランスモダンデザイン史で重要な役割を果たしたデザイナーの一人" ピエール・ガーリッシュ / Pierre Guariche "。
1951年に自身のデザイン事務所を設立し、同年にAirborne社のためにPrefactoシリーズを展開。新たな工業技術を用いた現代的で合理的なデザインで注目を浴びます。
1953年には" シュタイナー / Steiner "から彼の代表作とも言えるトノーチェアを発表。フランス初の3次元立体成型合板に成功した椅子として高い評価を得た後、1962年にはフランス人デザイナーにとって最も名誉ある賞の一つでもある、ルネ・ガブリエル賞を受賞しました。
そんなトノーチェアと同時期にSteiner社から生み出されたのが、彼のもう一つの代表作である" チューリップチェア / Tulip Chair "。
個性的な背座一体となったアルミ製のシェルが目を惹くアイテム。近年、更なる注目を浴び、人気が高まっているチェアです。
元々シェルにはファブリックが張られており、そのベースとして使用されていたのがアルミニウム。隠す前提で作られたシェルの表面は仕上げを施した滑らかな表情ではなく、表面を研磨してから仕上げを施していない為、表面は金属の質感が前面に出た荒々しい表情に。
洗練された美しいシェルのフォルムとこの素材感の対比が唯一無二の個性を生んでおり、非常に魅力的な一脚に仕上がっています。
大胆なフォルムのシェルに対して脚部はスッキリとしたスチールレッグ。これによって圧迫感を軽減すると共に、シェルの個性がより一層引き立つようになっています。見方によっては口をポカンと開けて立っているような、可愛らしい一面も垣間見えます。
シェルと脚部の接合部にスペーサーをかませているものもありますが、劣化によってか現在は付いていない状態に。取付ネジもプラスネジからボルトに交換されており、大切に使い続けられている事が伺えます。
背座一体ならではのフィット感の高い座り心地。身体を安心して預けてご利用頂けます。
モダンテイストからインダストリアルテイスト、ミッドセンチュリーなど幅広い空間とマッチする一脚。
洗練されたデザインと金属の持つ質感が織りなす個性と魅力。唯一無二の美しさを持つ名作チェアです。