GETAMA
GE530 Easy Chair
北欧家具に興味を持った方なら、必ずそのデザインに触れるであろうハンス・J・ウェグナー。
生涯で500脚にも及ぶ椅子をデザインした巨匠の作品は、年月を経て再生産されたものもあれば、僅かな時期に生産されただけの物まで様々。
今回ご紹介するのも未だ再販が叶っていない希少なモデル。ウェグナーの諸作品の中でもややマニアックなイージーチェアです。
ルーツ回帰を思わせるウェグナー後期の作品
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ベントしたアームが強い存在感を放つこちらは、1973年に誕生した『GE530 イージーチェア』です。
ウェグナーの作品としては比較的後期のモデルですが、ルーツに立ち返ったかのような出で立ちと感じました。細部をじっくりと見ていきましょう。
製造を手掛けたのはご存じ“ゲタマ GETAMA”社。ウェグナーとは切っても切れない存在です。
もともとは寝具メーカーでしたが、高い品質と確かな木工技術から、既に国際的な知名度を獲得していたウェグナーと協業するに至りました。
代表作であるデイベッドやGE290なども、もちろんゲタマが製造を手掛けています。
ウェグナーのルーツを辿る逸話で有名なのは、明時代の中国椅子をモチーフにしたというもの。
大きく曲げられた一本の笠木が、背もたれと肘掛けを兼ね、ぐるっと体を囲むという構造が、その後のYチェアやザ・チェアのデザインに繋がっていきました。
GE530は背もたれとアームこそ離れた構造であるものの、アームのデザインは初期作品のチャイニーズチェアを彷彿させるもの。
上方から大きな曲線を描きながらせり出してくる特徴的なフォルムは、このチェアの顔を言って差し支えなさそうです。
2枚のオーク無垢材を貼り合わせてあるので中々の厚みがありますね。
横からのアングルではやや傾斜があるように見えますが、実際に腰掛けてみると、身体に負荷がかかるようなことは無く、ごく自然な姿勢に導かれるような感覚があります。
立つ座るの動作も、幅広なアームがしっかりとアシストするので、座り心地は見た目以上のものがございます。
どっしりとしたフレームはウェグナー作品としては珍しいファットなもの。どこかクラフト家具のような安心感を携えているのもGE530ならではの魅力です。
ビンテージ品しか存在しないGE530シリーズ、いかがだったでしょうか。
中古市場でもお目に掛かる機会の少ないモデルですので、お早めのお問合せをお勧めいたします。