GETAMA
GE290 1P SOFA
老若男女問わず世界中から愛され続けている北欧家具。
その中核とも言えるデンマーク家具は、シンプルでナチュラルなデザインが多いため日本家屋との相性も良く、様々な場面で活用されています。
本日は、そんな北欧家具に興味を持った方なら必ずそのデザインに触れるであろう、椅子の巨匠が手掛ける1Pソファのご紹介です。
憧れのソファ
今現在の北欧家具やインテリア誌に多大な影響を与え、“北欧デザインの父”“椅子の巨匠”と呼ばれる”ハンス・J・ウェグナー Hans J. Wegner”。
デンマークデザイン界において最も創造性と独創性に溢れたデザイナーとも呼ばれ、92年の生涯で500脚以上の椅子をデザインし、数多くの名作と呼ばれる椅子を残してきた“椅子の巨匠”。
数々の名作を多く輩出している北欧デザイナーの中でも最も有名なデザイナーのひとりと言っても過言ではなく、家具好きなら一度は憧れ、家具をあまり知らない人でもおそらくどこかで一度は彼の作品を見たことがあるかと思います。
今回ご紹介させていただくのは、1953年に誕生してから家具好きの憧れであり続けているソファ“GE290”。
製造を手掛けたのは、1899年デンマーク北ユトランド州に位置する海近くの町「ゲステッド」に設立した“ゲタマ GETAMA”社。ウェグナーとは切っても切れない存在です。
もともとは寝具メーカーでしたが、高い品質と確かな木工技術から、既に国際的な知名度を獲得していたウェグナーと協業。
代表作であるデイベッドは勿論、GE530やGE260などもゲタマが製造を手掛けています。
多くの家具職人やメーカーが模倣した後姿。私はこのアングルが一番好きです。
家具やプロダクトデザインというものを全く知らなかった昔は、ソファは壁に直付けでレイアウトするもの、チェアは正面から見るものという固定概念がありましたが、GE290を知ってから「後ろを見せる」のもアリなんだと気付きました。
ちなみに車も後姿のデザインに力を入れることが多いそう、そういえば確かに一番よく見るのは前の車の後姿だなと。
現行のものだとクッション内部にはウレタンクッション+座面下はウェービングシート張られていますが、今回入荷したのはクッション内部にコイルスプリング+座面下にストライプ状のSバネが張られたオリジナルのビンテージ品。
コイルスプリングによる適度な硬さと跳ね返り、それらをサポートする座面下のスプリング。これらが浅く設計された座面と絶妙な傾斜角と相まって安定した座り心地を実現。
ウェグナーは自身のチェアデザインをゲタマが持つ特性を持って名作を完成させました。
経年によって深みが増した色味と無垢材ならではの力強い杢目は、丸みのある柔らかなフレームラインを引き締め落ち着いた印象を与えます。
ファブリックのグレーカラーはどこかフォーマルな印象ですが、オーク材フレームと組み合わせることでカジュアルで馴染みやすい雰囲気に。
360度どこから見てもその美しさは変わることなく、また洗練されたフレームラインと温もりを兼ね揃えているのもお部屋に取り入れやすいポイントの1つかと思います。
発表から70年以上経ったとは思えないほど洗練されたデザイン。
ウェグナーの尽きない探求心を、ゲタマ社の確かな技術によって実現した傑作と言える一脚。
椅子に求められる機能性と見た目の美しさを同時に満たす“GE290”、憧れのウェグナーのチェアで、自分だけの寛ぎスペースを叶えてみてはいかがでしょうか?