Carl Hansen & Son
CH88P Dining Chair
3連休やら選挙やら、賑やかしい日々が通りすぎ、本日は久々の通常モード。お仕事に勤しんでいらっしゃる方も多い事でしょう。
今回は、多くの人が憧れに挙げるデザイナーの1脚をご紹介。
宜しければ最後までお付き合い下さいませ。
当たり前は、当たり前ではない

ハンス・J・ウェグナー(1907-2007)。インテリアデザインにおいて人気の高い北欧諸国の中でも中心にいる国、デンマークに生まれたデザイナーです。
1940年代ごろからおおよそ1970年あたりまで、俗にミッドセンチュリーモダンと呼ばれるデザインの黄金期。そのただなかにいて、今なお中心にいると言っても過言ではない人物。



靴職人の父を持ち、自身も木工に関するマイスター資格を取得したウェグナー。兵役を期に来たコペンハーゲンで美術を学び、建築家としても著名なアルネ・ヤコブセンのオフィスで勤務。
そうしてキャリアを積み上げながら、盟友ボーエ・モーエンセンや多くのアーティストと親交を重ね、多くの名品を世に発表していったのです。


今回は1955年、スウェーデンの南端に位置するヘルシンボリで開催された国際博覧会(EXPO)のためにデザインされたチェア。この展覧会のテーマは「現代の人間環境」。
建築から工業デザイン、そして家庭用品と暮らしに直結するものに特化したこの展覧会。機能性というものを暮らしに取り入れた「スカンジナビア・デザイン」というものを世界により強く発信させる機会となったようです。
ちなみにこの展覧会のシンボルはアルヴァ・アアルトのパートナーであるエリッサ・アアルトがデザインしています。「H55」というテキスタイルとなって、今も人気のある柄ですね。



当時はプロトタイプのみの製造となり、市販とはならなかったCH88P。特徴としては、ステンレススチールが採用された脚部が挙げられます。
北欧諸国の中でもデンマークは、とりわけ高いハンドクラフトの技術が生かされたものが多いのですが、その中でもウェグナーはその高い「ハンドクラフトの美しさ」と「機械化」が高い水準で融合されたものが多いのです。



笠木(かさき)と呼ばれる背もたれ。オークの無垢材を贅沢に削ったパーツはわずかに前方へとせり出し、ハーフアームという短い肘掛けとしてお使い頂けます。
ウェグナーのディティールとして良く使われるハーフアームは、ピンと張ったアームの先から気持ち高さが下がり、手を組んで寛ぐ時にはそのベストポジションを導くような滑らかな曲面。



背もたれの上端はやや鋭角的になっているのに対し、下端はもっちりと落ちる直前の水滴のように厚みのあるシェイプ。見た目に滑らかな美しさである事は分かりますが、ふと背もたれに手を乗せた時。移動させようと持ち上げる時。それぞれに異なる触感の良さが普段の暮らしをグイッと底上げしてくれるのです。

例えばYチェアとして親しまれているCH24。お世辞にも安いものではありませんが、適切に工作機械を取り入れる事で、良い暮らしのために選択肢に入る、価値ある販売価格になっています。
ビンテージとして評価されるヨハネス・ハンセンやAPストーレン、アンドレアス・タックといった高い職人技術によるアートワークだけに絞っていたのなら、恐らくこれほど多くの人に知られる事は無かったのではないかと思います。


後年はディティールをよりシンプルにして、販売価格を下げる事にも精力的に取り組んでいたウェグナー。多くの人が手にとって実感してこそ、暮らしを豊かにする意味があると強く思っていた事の証。
強度の関係から太さが残るウッドでは無く、よりシャープなフォルムを導き出すステンレススチール。
木の家具のイメージが強いウェグナーですが、それだけに固執せず全方位に挑戦していた結果が、量産化技術が追いついた今実感する事が出来ます。

クラフト感たっぷりなアーム、幅広なシートは柔らかくくぼみ、厚みのあるウレタンに、シボ入りのレザー。
ステンレススチールでより現代的になっても古びない、「実力」のある1脚。
是非ご自宅で楽しんで頂きたい名作です。











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