Cassina
114 NUVOLA ROSSA
「手の甲に浮かびあがる血管が運命の人のイニシャルです。」
小中学生のころに周りにあふれていた恋愛のジンクス。鼻ににきびができると両想いとかそんな類のものですが、これはもしかしたらマイナーなのかもしれません。
とはいえ、ジンクスだと分かっていても、自分の左手に浮かぶ「Y・I」といつか出会うのかもしれない、と昔は少なからず信じていました。皆さんの手の甲にも“ イニシャル ”は浮かんでいますか?
逆転のW・A
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もちろん、家具には手の甲も血管も存在しませんが、本日紹介するこちらのシェルフにも文字が浮かび上がっています。そう、頭文字「W・A」。一度そう見えたら、もうそれにしか見えなくなってしまいました。

上段の「W」。全体に広がる「A」。

でもはたしてこの文字に意味があるのか、そもそもWAって一体…なんて考えていたら、気づいてしまったんです。もしかして違うのかも?と。
ということで、いざ反転!

なんと!ひっくり返すと浮かび上がったのは「V・M」、つまりこのシェルフのデザインを手掛けた
Vico
Magistretti(ヴィコ・マジストレッティ)のイニシャルです。

建築家の家系で育ち、「悪いデザインに言い訳はない」という哲学をもとに、イタリアデザインの基盤を築いたヴィコ・マジストレッティ。彼のデザインと言えば、マラルンガソファに代表されるようにハイコンセプトと精巧さが売りのはず。
公式にはそんな発表もないし、そんなはずはない。と分かってはいるものの、もしかしたら本人の名前を取り入れたちょっとお茶目でユーモアのあるデザインなんじゃないかとひっそりと思っています。

ただそのデザインはというと、さすがは建築や工業デザイン、都市計画等を手掛けているだけあって実に計算しつくされた構造(画像にはありませんが、折りたたみも可能)です。橋梁や高速道路をといった建築物をも彷彿とさせます。
でも実は、イタリア語で「雲 」の名をもつこちらのシェルフ。私たちが想像する“ 雲 ”からは程遠いデザインですが、これこそがヴィコ・マジストレッティの巨匠たる所以なのかもしれません。

なお、ブックシェルフではありますが、背板はなくオープン&骨組みと棚板だけのシンプルな構造。そこに生まれる家具の“ 空間 ”こそが、雲のように浮遊した感覚なのかも?と想像を巡らせてみたり…。
なので、詰め込みすぎずディスプレイラックのように実用頂くとこの「ヌーヴォラ ロッサ / 114 NUVOLA ROSSA」の良さがより際立つんじゃないかとも思います。

モダンデザイン界をリードするCassina(カッシーナ)とイタリアを代表するデザイナーによる、秀逸なブックシェルフ。受注輸入品というすぐには手に入らない若干のハードルともともとの価格が相乗して、中古市場ではあまり出回ることのない逸品です。※隠されたイニシャルにばかり目を向けてしまったので、もっと詳細を知りたい方は
コチラをご覧下さいませ。
でも本当に自身の名前がデザインに取り入れられているとしたら、いつもは格式高いデザイナーズの家具も、少しだけ身近になりそうな気がします。さらに、ヴィコ・マジストレッティとの距離もまた短く感じられそうです。
そして、もしかしたら運命の家具のイニシャルは、「V・M」かもしれません。
