IDEE
DINING CHAIR Natural
イデーより復刻した、日本のモダンデザインを牽引してきたデザイナー”長大作”によるダイニングチェア。
同氏の代表作でありながら、1958年に発売が中止されて以来、長い間日の目を見てこなかったという悲しい背景が。
しかし、実はデザインに3人もの名デザイナーが関係している、とっても興味深い一脚なのです。
日本の名デザイン
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イデーは美しく使い心地の良い、長く使い続けれられる家具を提案しているインテリアショップ。
そんなイデーが、歴史の影に隠れてしまったデザインにスポットライトを当てる為、2007年に誕生したのが、"JAPANESE MODERN MASTER"。
日本の1950~1980年代のモダンデザインを再評価し、短期的な復刻にならないよう、現代の暮らしや生産体制に合うように、製品化しています。

こちらのダイニングチェアを手掛けたのは日本のモダンデザインを代表するデザイナー”長大作”。
彼は東京美術大学(現 東京藝術大学)を卒業した後、坂倉準三建築研究所に入所します。
近代建築の巨匠ル・コルビジェの元で師事した坂倉準三からモダニズムや国外のデザインを学び、低座椅子などの代表作を多く手掛けています。

デザインの元はジャン・プルーヴェのスタンダードチェア。
彼と親交のあった坂倉準三はスタンダードチェアを木製で作りたいと思い、座面が竹かごでできている椅子をデザイン。
その後、長大作がこの椅子のリデザインを受け継ぎ、フォルムを変えたり、成形合板にしたりと自身のデザインになっていきました。
幾度の販売と改良が重ねられた結果、松本幸四郎宅に収められるなど、人気のダイニングチェアに。

プルーヴェの椅子を何度もリデザインを繰り返したことで、スタンダードチェアとは異なる独自のデザインになっています。
脚部のサイズは横幅31cm、高さ65cmと上にすらっと伸びており、タワーのようなデザイン。
正面から見ると脚が長く、線が細いので、凛とした印象。
しかし、横から眺めてみると、後脚の幅広で、三角のデザインからはスタンダードチェアの面影が感じられます。

フレームのキリっとしたラインとは対照的に、背座は成形合板による丸っこく緩やかなカーブが特徴的。
背面の下にすぼんでゆくデザインは柿の実を縦に割った姿に着想を得たそう。
フレームとの接合部の黒いダボも柿の種のように見えます。
普通は隠したい接合部をあえて見せることでデザインの一部としてしまうのは流石です。

日本のモダンデザインを牽引してきた長大作が手掛けたダイニングチェア。
日本人の体格に合うように、少し低めに設計された座面や直線と曲線のコントラストが美しい一脚。
イデーが見つけた今の暮らしに溶け込むデザインです。
是非ご自宅にいかがでしょうか。
