Ercol
Vintage Side Board
ERCOL(アーコール)の家具の第一印象はいつも可愛いのひと言につきます。
でもどうしてこんなにも心ひかれてしまうのか。多くの人を魅了して止まないのか。
今日はこの可愛いを深掘りしてみたいと思います。
可愛いの集合体
アーコールチェアに代表されるイギリスのカントリー家具を基調としたシリーズ、ウィンザーコレクションのひとつとして展開されたサイドボード。ブルーのロゴシールより1960-70年代頃のビンテージアイテムです。
主材はもちろんエルム(ニレ)材。ケヤキにも似たくっきりとした杢目が、日本人にとっても懐かしいという感覚を思い起こさせるのかもしれません。
デザイン自体はいたってシンプルで、直線的なフォルムには北欧スタイルにも通じるモダンさを感じられます。
それでもよく見ると、すべてが削り取られて角がない縁や前板がふっくらと盛り上がるように作られた扉や抽斗など、細部にまで及ぶこだわりにより柔らかで温かく優しい雰囲気を強めています。
さらに、その丁寧な作りは実用性にも繋がります。丸い把手はデザインとしてのアクセントの役割を果たすだけでなくつまみやすく、収納部は限りなく簡素で広々。
また脚部にはキャスターが採用されるなど、とことんクオリティとユーティリティが追求されているところもアーコールの家具の愛されポイントではないでしょうか。
しかも通常は大型家具に分類されるサイドボードですが、こちらは高さが抑えられている分かなりコンパクトな印象を与えます。
フォルムだけでなく把手やキャスターなどのパーツもサイズも、そのひとつひとつすべてが可愛いを作り上げる要素として欠かせない存在です。
イギリスといえば、同時期の家具としてジープランやネイサンなども有名ですが、北欧デザインを取り入れたそれらのブランドとは一線を画すアーコールだけの独自のスタイル、カントリーモダン。
北欧の洗練された可愛さとイギリスの古き良き可愛さが融合したこのノスタルジックな空気感こそが、アーコールの可愛さを作り出しています。
そしてその可愛さの中には、温もりとこだわりと懐かしさがたっぷりと詰め込まれています。