artek
A330S by Alvar Aalto
1937年、アルヴァ・アアルトは、ヘルシンキの名店「サヴォイレストラン」のために内装から家具、照明までを手掛け、アアルトの世界観を凝縮した空間を生み出しました。
今回ご紹介するのは、その空間の一部としてデザインされた「ゴールデンベル」の愛称で知られるArtekの「A330S」です。
空間に浮かぶ、アアルトの美学。

まず目を引くのは、ベルを思わせる独特なフォルム。シンプルなのに、なぜか視線を引きつける。その絶妙な存在感がA330Sの魅力です。
照明を消しているときも、天井からオブジェが浮かんでいるように見え、空間に心地よいリズムをつくります。主張しすぎないのに、確かに印象に残るデザインです。

今回の仕様は、ブラスのクリア塗装仕上げ。真鍮らしい温かな色味がありながら、どこかシャープで現代的な表情も持っています。木の家具はもちろん、ビンテージのレザーや石、ラグとも好相性。異なる素材を自然につなぎながら、空間にほどよいアクセントを加えてくれます。

さらにシェードの内側にも注目したいところ。外側のブラスに対して、内面はホワイト塗装仕上げになっています。光をきれいに反射させるだけでなく、シェード下部の細かな穴からも光がこぼれる設計。機能のためのディテールが、そのまま美しいデザインになっているところに、アアルトらしさを感じます。

いかにも「かっこよくデザインしましたー」感がないのに、ちゃんと存在感がある。建築や家具、照明を単体で考えるのではなく、そこで人がどう過ごすかまでを含めたアアルトのデザイン。眩しすぎず、テーブルを囲む人に心地よく光が届く。見た目の美しさの裏側に、使う人への細やかな配慮があります。

1937年に生まれたデザインが、今も現役でつくられているA330S。長く愛される理由は、流行に左右されない形だけでなく、素材、光、使い心地、そして生まれた背景。そのすべてがちょうどよく重なっているからこそ、何十年経っても古びない。
A330Sは、暮らしの中に静かにアアルトの美学を取り入れられる一灯です。































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