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KAARI TABLE REB003
今いちばん波にも脂にも乗っているデザイナーといえばきっと、世界各国の名立たるブランドから引っ張りだこの彼らではないでしょうか。
驚いたのはそのデザインが家具や照明だけに留まらないこと。カーテンやフラワーベース、ドローイングに眼鏡まで、作品は多岐に渡ります。
日本でも飛騨産業とコラボレーションするなど、着実にその名を広めつつある今最も旬のデザイナー。そう、あの2人です。
単純か複雑か
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現代のフランスを代表するデザイナー、Ronan & Erwan Bouroullec(ロナン&エルワン・ブルレック)兄弟。
ずっと名前が長くて覚えられないなんて思っていたのですが、インプションでもここ最近取り扱うアイテム数が増え、いつの間やら暗唱できるほどになりました。

1997年にCappellini(カッペリーニ)に見いだされた後、個展の開催やイッセイミヤケの店舗デザインなど活動の幅を広げていった2人。
自然の造形物にインスピレーションを受けたデザインで魅了し、その後はもう飛ぶ鳥を落とす勢いで、さまざまなインテリアブランドから作品を発表していくこととなります。

中でもartek(アルテック)との初コラボレーションが叶ったのは2015年。テーブルやデスク、壁付けのシェルフで展開される「カアリ | KAARI」シリーズの誕生です。
フィンランド語でアーチを意味するカアリは、その名の通り湾曲するユニークなフレームの形状が最大の特徴かつ魅力といえます。

とはいえこの「カアリテーブル | KAARI TABLE REB003」を構成するのは、丸・三角・四角の単純なパーツとリノリウム天板・オーク材・スチールのシンプルな素材だけ。
これには、サステナブルでありながら伝統的な技術を守っていくという彼らの革新的な思考が存分に活かされているのでしょう。

際立つのは、すっきりとしたミニマルデザイン。一見そう思えるのになぜだか複雑さを感じさせるのは、見る角度によってラインや素材が混じり合うからかもしれません。
やはりこの時代の寵児とも呼べるこの兄弟のデザインは、シンプルとかモダンとかひと言では言い表すことのできない印象を与えてくれます。

アルテックの丸テーブルといえば、きっとアアルトを思い浮かべる人が多いはず。
どこかそのデザインを継承しているようにも見えるカアリテーブルの佇まいからは、同社の伝統や技術をしっかりと重んじていることが伝わってきます。
ブルレック兄弟の個性とともに表現された畏敬の念。さまざまなブランドとの協働で誕生した作品は数あれど、このテーブルはアルテックだったからこそ生まれたデザインなのです。
