絵本『雨ニモマケズ』原画(作:宮沢賢治 絵:柚木沙弥郎)2016年 水彩、紙 公益財団法人泉美術館蔵
新作から絵本原画まで 柚木沙弥郎の個展開催
日本を代表する染色家、柚木沙弥郎(ゆのき さみろう)の個展が神奈川県立近代美術館 葉山で開催されます。
染色家・柚木沙弥郎(1922- )が「民藝」との出会いを機に染色の道を志したのは、終戦直後のことです。以後70年余にわたる創作活動の原点には、「民藝」をめぐる自らの問い―工芸と美術、西洋と東洋、作家と職人といった対立的な見方への葛藤がありました。そうした区別を越えるべく、染色にとどまらず絵本や、版画、彫刻へと表現の幅を広げてきた柚木は、「用の美」の精神を引き継ぎながらも、自らが日々出会う「もの」を見つめ、触れ、ふと気づいた喜びを色と形に変えてきました。その彩り豊かな模様が生み出す創作世界は国内外で高く評価され、近年ではフランス国立ギメ東洋美術館(2014年)、日本民藝館(2018年)で回顧展が開かれました。
[caption id="attachment_144884" align="alignnone" width="400"] 柚木沙弥郎《歓喜のうた》2019年 型染、綿 作家蔵 撮影:阿部健[/caption] |
[caption id="attachment_144885" align="alignnone" width="400"] 柚木沙弥郎《いのちの樹》2018年 型染、紬 作家蔵 撮影:阿部健[/caption] |
同館は2012年、鎌倉別館で「柚木沙弥郎 村山亜土『夜の絵』とともに」を開催し、絵本作家としての魅力を紹介しました。葉山館で行う本展では、同館のコレクションを中心に、古典絵巻「鳥獣戯画」に取材した新作をはじめ、近年の型染布や宮沢賢治『雨ニモマケズ』に寄せた絵本原画などを通して作家の「今」を伝えます。
[caption id="attachment_144886" align="alignnone" width="400"] 柚木沙弥郎《広巾布》(部分)1982年 型染、綿 神奈川県立近代美術館蔵 撮影:上野則宏[/caption] |
[caption id="attachment_144887" align="alignnone" width="400"] 柚木沙弥郎《型染布(広巾布)》(部分)1982年 型染、綿 神奈川県立近代美術館蔵 撮影:上野則宏[/caption] |
[caption id="attachment_144888" align="alignnone" width="400"]
柚木沙弥郎《トコ》2004年 布、紙 神奈川県立近代美術館蔵 撮影:佐藤克秋[/caption]
展覧会概要
会場: 神奈川県立近代美術館 葉山 展示室1
会期: 2019年7月13日(土)-2019年9月8日(日)
開館時間: 9:30 – 17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日: 月曜日(7月15日、8月12日は開館)
観覧料: 一般600(600)円/20歳未満・学生450(350)円/65歳以上300円/高校生100円
神奈川県立近代美術館 公式サイト:
» http://www.moma.pref.kanagawa.jp/