UK Antique
Knead Dough Table
いつか普通の柱時計ではなくて、「船舶用の手巻きの時計(船時計)」を手に入れたいと思っていました。
そして今、縁あって我が家のリビングでカチコチ音を立てながら、時間を刻んでいます(たまに巻き忘れて止まっています)。まぁ、実際は船ではなく汽車だったんですが、いろんな場所を旅していた時計だと思うと、浪漫を感じずにはいられません。
ある用途のために作られたアンティーク。実は家具の中にも、「専用の〇〇」みたいなものがけっこうあったりするのです。
だから、アンティークはおもしろい。
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そう、この風合い溢れるテーブルもまた、そんな使命を与えられたテーブルのひとつ。
幅158 × 奥62 × 高76cmというサイズ感をみる限り、すこし高さのあるダイニングテーブルとしか思えません。
さらに、天板から幕板にかけての台形のデザインはやや特長的ですが、そのほかはアンティーク家具によくみられるろくろ脚など、特に変わった点は見つけられないのです。
では、一体何が特別かって?
実は、天板が外れます。その下に現れるスペースは、小麦粉を保管するために設けられた場所。かなりの量の小麦粉が入るので、パン屋さん仕様かと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
が、たぶんこちらはイギリスのちょっとだけ上流階級のおうちで使われていた「パン作りのための作業台」だったんではないかと推測しています。
内部には、小麦粉の名残りも(実際に何かをしまって実用する際には、中に布を当てたりして収納したアイテムが直接木部に触れないようにして頂いた方がよさそうです)。
「Knead Dough Table(生地をこねるテーブル)」なんてあまりなじみのない名称ですが、アンティークの世界には他にも「Baking Table(パン焼きテーブル)」などパンにまつわる家具や雑貨がけっこう存在しています。
ちなみに、天板だけでなく、ボックスと脚部の取り外しも可能です。きっと当時は画期的かつ機能的な、重宝されるデザインだったに違いありません。
力を思いっきり込められる「捏ねる」作業に最適な高さ。でも、椅子を合わせると膝が当たってしまうので、テーブルやデスクとしての実用は少し難しそう?それなら、ディスプレイ台としてはどうでしょう。
と現代で使うなら、少しだけアイデアを振り絞って。ぜひおもしろい使い方を見つけてみて下さい。
パン作り専用の作業台。そんな“ 使命感 ”がこのテーブルの魅力を何十倍にも何百倍にも引き上げているように感じるのは私だけでしょうか?
何気ない家具だと思っていたら、実はとんでもない背景を隠し持っている。なんてロマンチック。これだから、アンティークはやめられません。