UK Vintage
Oak × Glass Bookcase
手すりも幅も細くてちょっと覗けば下が見える。でも次々と人がやってくるので止まるわけにはいかない。
上るも下るも一方通行の螺旋階段は、高所が得意でない私にとってはけっこう恐怖でした。
でも、そんな思いをかき消すくらい圧巻だった箱根・彫刻の森美術館にある幸せをよぶシンフォニー彫刻。ステンドグラスの塔です。
ぜひ、嗜んでください
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華やかで煌びやか。とりどりのガラスが光が当たってきらきらと輝くさまが何よりも美しいステンドグラス。
教会のイメージが強いのは、もともとキリスト教の神の教えの物語を表すための装飾として用いられていたからだそうです。
そこから窓や照明へと広がっていったガラスの装飾は、もちろん家具にも使われるようになっていくのですが、実は少しだけ様相が異なるのです。
というのも、どの家具を見てもガラスの色数がどうも少ない。鮮やかなステンドグラスのイメージとは程遠いクリアを基調としたデザインが多いように思います。
でも、今回入荷した英国の古いブックケースをみて腑に落ちました。華やかさではなくお部屋のなかに溶け込み、落ち着きを与えてくれる。
そして木材が主役となる箱ものの重厚な素材感を邪魔することなく、さりげない装飾を加えることで上品さを添えてくれる。
シンプルではあるけれど、左右の扉に3つずつ並ぶダイヤの象りが何とも印象的で、どこか大人びた可愛らしさをまとっている気がします。
また、オーク材の深い木色と鉛桟、クリアガラスの対比が作り出すこの雰囲気がたまらなくかっこいいと思えるのです。
この家具が作られたのは直線と幾何学模様を用いて機能性と装飾の調和を目指したアールデコの時代。推測にはなりますが、おおよそ1920~30年代頃のものかと思われます。
まもなくアンティークを迎える古い家具だからこそのダメージもありますが、それも含めた存在感を宿しています。
当時は、ブックケースとして作られたこのキャビネット。棚板の高さもそれぞれ3段階ずつ調整できるので、本の収納にはもっぱら適しています。
ただガラスに色味がない分、収納するアイテムで自分だけの装飾を楽しむのもまたおすすめ。
お気に入りのコレクションや食器たち、本もあわせていろいろとミックスさせても良いかもしれません。
透明のステンドグラスの向こう側をぜひ嗜んでみてはいかがでしょうか。