UK Antique
Shirt Cabinet
ガラス戸のキャビネットはよく見かけますが、前面がガラスになっている抽斗は私ははじめて見ました。
見ているうちに、「ここにはお気に入りのお皿を並べたい」「文房具をしまうのも楽しそう」「眼鏡を飾っても可愛いかも」と、飾りたいものが次々に浮かんできます。
収納家具なのに、しまうものを考える時間まで楽しくなる。
そんな不思議な魅力を持ったシャツキャビネットを紹介します。
持ち主の“いま”を映す家具

1930~40年代にイギリスで製造されたと思われるシャツキャビネット。
30杯ものドロワーが整然と並ぶ姿には圧倒されますが、装飾は決して華美ではなく、オーク材の柔らかな風合いと英国アンティークらしい上品さが感じられる一台です。

このキャビネットの一番の魅力は、これだけたくさんの「飾れる収納」が一つに集まっていることではないでしょうか。
引き出しの数だけ、自分の好きな景色をつくることができます。
例えば、ワイシャツとネクタイ、それに合わせる小物を一式ずつセットにして並べれば、毎朝の身支度が、お店でコーディネートを選ぶような楽しい時間になりそうです。
お気に入りのお皿やカップをコレクションのように並べたり、文房具や眼鏡、アクセサリーを飾るように収納するのも素敵。
季節ごとに中身を入れ替えたり、旅先で見つけた雑貨を並べたり、特に用途はないけれど見ているだけで楽しくなるものだけを集めてもいいかもしれません。

もちろんすべての抽斗を違うテーマにする必要はありません。
同じ種類のものを整然と並べる美しさもあれば、抽斗ごとに違う世界を作る楽しさもあります。
統一感があっても、ごちゃまぜでも、それがその人らしい景色になっていく。
木の色味がとても絶妙で、主張しすぎないからこそ、抽斗の中に並べたものが自然と目を惹きます。
カラフルなものも、落ち着いた色味のものも、それぞれの魅力が引き立つように感じました。
ガラスや陶器、革や金属など、素材が変わるだけでも抽斗ごとの表情はガラリと変わります。
主役になるのは家具ではなく、その中に並ぶ景色。
だからこそ、「次は何をどう飾ろう」と考える時間まで楽しくなります。

そして実際に見ていて面白いなと思ったのが、上の方の引き出しを開けたときの景色です。
よほど背の高い方でなければ、抽斗の裏側や側面が自然と目に入ります。
そこに小さなイラストを描いたり、お気に入りの絵やポストカードを貼ったり、普段は見えない場所だからこそ、開けたときだけ自分が嬉しく楽しくなるような遊び心を忍ばせるのも素敵です。
そんな風に自分だけの楽しみを少しずつ増やしていけるのも、このキャビネットならではの魅力だと感じました。

下段の6杯は深さのある木製ドロワーになっているので、靴や服のケア用品や裁縫道具など、毎日使うけれど見せなくてもいいものをまとめて収納出来ます。
靴下やインナーなどを、毎日使うものをまとめてここにしまっておけば、朝のお着替えはこのキャビネットの前だけで済んでしまいそうです。

最初は30杯の空っぽの抽斗。
そこへお気に入りのお皿を並べたり、毎日使うシャツをしまったり、旅先で見つけた小さな宝物を飾ったり。
使い続けるほどに、その人の好きなものや暮らし方が少しずつ詰まっていきます。
きっと一年後と五年後では、このキャビネットの景色はまったく違うはず。
持ち主が思い描く景色をひとつずつしまい込みながら、少しずつ完成していく。
アンティーク家具でありながら、その一番の魅力は「これから先」にあるのかもしれません。
そんな「持ち主の“いま”」を映してくれる家具なのだと感じました。































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