Stoll Giroflex
40's Office Chair
今日は風がそよぐ位にしか感じられず(夕方からはしっかりと吹いてきましたね)じわっと暑い日でしたが、皆様体調など崩されていませんでしょうか。
私はかなり代謝が良い方なのかすぐに汗が出るタイプなので、ベトつく肌にこれからの季節を想像して、嫌な予感を隠せずにいます。
今年もきっと暑いでしょう。少しでも気持ちよく過ごす為に工夫をしていきたいですね。
話は変わりますが皆様は最近、何かワクワクする事はありましたでしょうか?
私は自粛期間の前後で読み始めたファンタジーものの小説が思いの他面白く読み進めていました。24巻ほどあったシリーズも1、2ヶ月の間に残すは既刊最後の1巻のみ。夢中になって読んでいた分、一旦お仕舞いとなってしまうのが勿体なく、今はチビチビと読み進めています。私の考えですが、ワクワクするものには想像力を掻き立て、刺激する力があると思っています。
ワクワクするもの。例えばそれが人によってはノンフィクションのように実際に生きている人の追体験であったり、スペースエイジに表されるこれから訪れるであろう近未来への希望であったり、冷蔵庫の中身をキレイに片付けられる献立であったり、問題を解決することで前進出来る革新的なアイデアだったりと様々です。
同じ事を繰り返す事も、経験や積み重ねという点ではとても大切ですが、繰り返す事だけでは、人の気持ちは擦り切れてしまう事もあります。頭の中の話でも脳がどんどん処理を無意識に取り込んでいくため、自分の能動的な意識を間に挟みにくくもなるもの。
ワクワクする事は新しい刺激。それを自分の中に取り入れる事でモチベーションを保つ事は大事だと思う今日このごろです。
今回ご紹介するのは、仕事をしながら生きてゆく私達のためにある家具の、歴史の足跡を垣間見させてくれる逸品です。
皆さんも一緒に、色々と想像して、ワクワクしてみませんか?
オフィスチェアの黎明
>>この商品の詳細を確認する
今回ご紹介するのはオフィス用品、とりわけオフィスチェアを語る上では欠かすことの出来ないメーカー、ジロフレックス(Giroflex)社のもの。
ジロフレックス社はヴィトラ社やUSMハラー社と同じくスイスの企業です。
ジロフレックス社は1872年にアルバート・ストール(Albert Stoll)が、木製の家具の製造会社として歴史をスタートします。当初はカフェやホテル向きに曲げ木の家具を製造していたようです。
曲げ木で有名なトーネット社の曲げ木に関する特許の消滅が1869年ですので、当初は後発のメーカーの一つであったかもしれません。息子の代になって、会社はオフィス向けの商品製造にシフトして行きます。
1926年に発表した世界初のスプリング付き回転椅子が評価を博し、その後もエルゴノミクス思想を取り入れた同社は高品質なオフィスファニチャーを提供し続けています。
オフィスチェアを考える上で外せない機能、リクライニングと昇降機能。
現在ではスチールやアルミといった金属のフレームが前提といっても過言ではないかと思いますが、今回の椅子はほぼ木製。それに昇降のためのシリンダーやリクライングのためのバネが取り付けられている形です。
プライベートのためではなく、業務のためにデザインされた椅子。
それがレトロでありながらどこか真面目な雰囲気を醸し出しているように感じられます。
この椅子にも搭載されている機構であるスプリング付き回転椅子を世界で初めて発表したのが1926年。ジロフレックス(Giroflex)のブランド名が導入されたのは1948年。
ロゴマークから推察するに、この椅子はその間の1940年代あたりのものと思われます。
昇降機能はひっくり返した状態でコックを引き高さを調節する形となりますが、シリンダーの圧力で受け止める座り心地は良好で、普段にも問題なくお使い頂けるコンディション。
「木」の印象の椅子が、機能的な座り心地であることは現在に無い組み合わせで、驚きと同時に楽しんで頂けます。
現代のオフィス家具の中にあっても、逸脱しすぎる事はないデザインでレトロな雰囲気を楽しめ、
ご家庭の中にあっても、木のぬくもりがあるので無機質過ぎずにお使いいただけます。
当時に使われていたリアルな家具であるからこその力を持つ逸品です。
眺めて現代には無い組み合わせの魅力を感じるもよし、腰掛けて当時のオフィスに思いを馳せるもよし。
ワクワクした方、お見逃しなく。