Erling Torvits dining chair

風合い美しい北欧家具。 無駄な装飾を省いた造形は素材の質感をより引き立たせる美しさを持っています。 シンプルさは同時に使用者の生活に負荷をかけない実用的な面も。 経年による表情の移ろいも実使用により理解する心地よさも北欧デザインならではの魅力。 今回ご紹介するのもデンマークが誇る逸品です。

素材の気品。

>>この商品の詳細を確認する 時の流れを感じさせない美しい北欧椅子。 1960年代に ”soro stolefabrik社” によって製作されました。 デザインを手掛けたのは、エーリング・トロヴィッツ Erling Torvits。 デンマークで生まれ木製家具職人として歩み出した道のりは、その後多くの逸品を残す事となります。 トロヴィッツは工房で腕を磨きます。 勤めたのはオーレ・ヴァンシャーと繋がりの深かったA.J.Iversen工房。 良質な木素材を用いた作品の数々。 確かな技術力を誇る工房で木の性質を理解したトロヴィッツは、自身のデザイン事務所を設立しました。 キャビネットやチェアを精力的に手掛けたトロヴィッツ。 彼の作品の多くは無駄な装飾を省いた個体が主。 素朴な造形は採用された木の質感や素材感をより引き立たせます。 作品の多くに採用されたローズウッド。 1960年代にチーク同様の人気を博した銘木です。 ワシントン条約により輸出入が規制されているローズウッド。 希少銘木を贅沢に使用できるのはビンテージならではの魅力。 深い赤褐色の中に濃縮された墨を流したような杢目。 日の当たり方、目線の移し方で異なる表情が移ろい、得も言えぬ妖艶さを醸し出します。 素材を活かす無駄のない造形。 滑らかさが有機的に魅せる拘りある細部。 木は全て曲面加工がなされ、佇まいの優雅さ、肌触りの心地良い質感を生み出しております。 ダイニングシーンで多くの視線を集めるバックデザイン。 ラダーバックを用いた背もたれは視線が抜けて軽やかな印象を与えます。 笠木の有機的な造形。 角張りと曲面が共存したような特異な表情からは、シンプルの中に唯一残されたユニークさを感じ取れます。 ”見られること”への意識の高さが美しい造形を生み出しているのでしょう。 細身な佇まいを失念させるたっぷりとした座面。 硬質なローズウッドが提供する安心感、信頼感。 後傾デザインや滑らかな弧を描く背もたれが齎す娯楽性。 見た目の良さだけに留まらない、ダイニングチェアとしての最低限の仕様。 ”無駄を省く” のは美しさと実用性を共存させるための作業です。 こちらは、北欧家具を理解したトロヴィッツの魅力を体感して頂ける逸品でした。 細部への配慮が感じられる拘り。 細かな工夫の積み重ねと緻密な計算。 北欧家具が放つ気品は他の追随を許さない魅力を持ちます。 経年により磨かれた個体は現代だからこそ評価される輝きを放っています。