Ritzwell
IBIZA FORTE Living Table
家具には二種類ある。
空間に溶け込み、なじむ家具か、
空間の中心となり、その場の空気を決定づける家具か。
IBIZA FORTE Living Tablesは明らかに後者では無いでしょうか。
リビングに置かれる“盤面の中心”

こちらのテーブルは、Ritzwell の IBIZA FORTE Living Table。
私は最初「居飛車」と聞き間違えました。
居飛車とは、将棋の戦法で飛車を自陣に構えながら盤面全体を支配していく王道の戦法です。
奇をてらわず。
しかし決して受け身でもない。
自ら主導権を握り、戦いの流れをつくっていく。
リビングの中心に据わり、空間の主導権を握る。
王道でありながら、攻めの姿勢を忘れない。
居飛車もIBIZA FORTE Living Tablesも、あり方は同じです。


印象的な一枚の天板。
正面から眺めると、そこには神社仏閣の屋根に見られる“反り”を彷彿とさせる独特な天板のフォルムが目に入ります。
この"そり"は単なる意匠にとどまりません。
張り出した屋根の反りは、雨水を流し、光を取り込む工学的な知恵であると同時に、宗教的な象徴性も帯びているのです。
反り屋根とはしばしば、仏教世界の中心にそびえる聖なる山「須弥山」が描く美しい稜線を表現したものと解釈されます。
この天板にも、どこかそうした神聖さが宿っているように見えます。

天板は重厚な無垢材でありながら、視覚的には宙に浮いているかのような印象を与受けます。
その姿は、どこか現代将棋でしばしば見られる居飛車のダイナミックさを感じさせます。
居飛車は「自陣に飛車を置く戦法」と説明されますが、実際には盤上を縦横無尽に支配し、時に空中戦のようなスピード感ある攻防を生み出す戦法です。
どっしりと構えながらも軽やか。
安定感と躍動感を同時に成立させるところに、このテーブルと居飛車の共通点を見つけました。

リビングテーブルは住空間の中心となります。
家族が集い、会話が生まれ、食事を囲み、ときには一人で考えにふける。
生活という宇宙の中心に置かれる存在です。
このテーブルには、その中心にふさわしい静かな存在感があります。


天板の反りは食器等を置く際に不快に感じない程度の絶妙な傾斜で調整されています。
ウォールナットの無垢材天板と、マットな黒色の四角いスチールフレームのモダンな組み合わせはミッドセンチュリーは勿論、北欧、和室までどんなお部屋にも合わせられます。

派手な装飾で目を引く家具は多いですが、長く愛される家具は、往々にして王道のデザインではないでしょうか。
居飛車が何百年もの間、多くの棋士たちに選ばれてきたようもに、このテーブルもまた、流行にとらわれない本質的な美しさによってお部屋の空気を引き締めます。

名前はIBIZA FORTE Living Table。
だが、その佇まいはまるで居飛車。
静かに構えながら、リビングという盤面の主導権を握る一台。











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