Vintage
Landi Chair
1939年に開催されたスイス万博の公式屋外用チェアとしてデザインされ、現在のチェアデザインに根底的な影響を与えた 名作「ランディチェア Landi Chair」。
その洗練されたデザイン観は現代においても卓越したものとして知られており、名門"ヴィトラ Vitra"による復刻品も製作されています。
本日はimptionでも初の入荷となる大変希少なオリジナルビンテージのご紹介となりますので、是非この機会にご覧になっていってください。
迷いなく、一つのことから多くを得た一脚。
イームズの"シェルチェア"を始め、今でこそ背座が一体となったチェアはトラディショナル且つスタンダードなものとして私達の暮らしに浸透していますが、その元祖と言われているのがこの「ランディチェア」です。
スイスに生まれ、バウハウスで学んだ "ハンス・コレー" がそのデザインを手掛けており、骨組みを持たない一枚のアルミ板を成型したシートフォルム。
そしてアームと脚部ベースが一体となった美しく統一感のあるフレームワークが特徴的です。
ハンス・コレーは独学で金属加工の技術を身に着けたそうで、その常識にとらわれない探求心にバウハウスならではの哲学が見事に融合した、革新的な一脚となっています。
100年以上も前にデザインされたとは思えないほどにバランスが取れたデザイン。
今日のインテリアアイテムと比較しても全く遜色のない佇まいで、アルミ一色という素材感も他にないアイコニックな装いを醸し出しています。
しかし私がこのチェアを見て真っ先に思ったのは「こんなに薄いアルミの板でチェアを作ったら、柔らか過ぎて家具として使えないのではないだろうか?」ということ。
実際に手に取って持ち上げてみると、とっても軽い・・! これは本当にストレートなアルミ板ならではの重さです。
実際におそるおそる座ってみると、座面周りはしっかりと堅牢で、背もたれが穏やかにしなる快適な座り心地。
想像以上の実用性とその心地よさにびっくりしてしまいました。
よく見るとフレームやシートの縁周り等、アルミ板をプレスしながらへり返しを付けることで巧みに強度が与えられた作り。
一見軽量化の為に設けられただけのように見えるパンチングも、その一つ一つの縁に対し、へり返りに伴うテンションが加えられています。
シンプルですが細部に至るまで絶妙な剛性が与えられており、全てが一体となることで初めて機能する、非常によく考えられたデザインです。
アルネ・ヤコブセンのアントチェアはプライウッド製ですし、イームズのシェルチェアにおいても、あの無駄の無いフォルムを実現する為にプラスチックにガラス繊維を含ませたFRP素材を採用しています。
そういった点においてランディチェアは、アルミ板をプレス&パンチするのみで実用上の多くの問題をクリア。
もし私だったら「アルミである以上、もしこんな状況だったら耐えられないかもしれない」とくよくよ考えて途中で頓挫したかもしれません。
ランディチェアは、私から見て非常に一途なデザイン観によって生み出されたもので、まさに迷いなく、一つのことから多くの味方を得る事を選び続けることで生み出された一脚。
実際はどうなのか定かではないのですが、是非実物を見てそのデザインを感じ取っていただければと思います。
ランディチェアには強度以外にも様々な機能美が与えられており、水を溜めないので屋外に適した構造、更に最大6脚のスタッキングが可能で、なんと言っても羽のように軽いので咄嗟の取り回しにも使い手にストレスを感じさせません。
万博に携わる逸品として申し分の無い完成度であり、純粋にルックスとしてお洒落なので、インテリアとしても一度は空間に取り入れてみたい一脚となっています。
スイスのMEWA社が製作を手掛けた 本物のオリジナルビンテージ「ランディチェア Landi Chair」 如何でしたでしょうか。
ヴィトラ社が復刻したものとはシートに施されたパンチの数が異なっており、こちらの方がやや落ち着いた印象となっています。
空間を彩るアイコンとしては勿論、店舗インテリア、ラグジュアリー空間のアクセントとして、抜群の存在感を魅せてくれるでしょう。
希少なお品物となっておりますので、お探しの方は是非この機会をお見逃しなく。