Keravan Puuteollisuus
Domus chair
気取らない競わない、人々の為にうまれたデザイン。
文化を敬いながらも新しく、本質を損なわない北欧のデザインは現代の私たちにも温もりを与えてくれます。
本日ご紹介させて頂くのはフィンランドで生まれた名プロダクト。
ドムスチェアのご紹介です。
素朴な愛らしさ
>>この商品の詳細を確認する
戦中戦後の厳しい環境のなか、民衆が本当に必要とする有効なものづくりを実直に目指したイルマリ・タピオヴァーラ。
世界中で愛され続ける多くの作品を生み出し、今なお多くのデザイナーや建築家に影響を与えています。
デザインスタイルは生活と機能美を追求して生まれた美しいかたち。
現代の暮らしにもすんなりと溶け込むそれらは誕生から長い年月が経った今でも強い魅力を放ち続けます。
ドムスチェアは同氏の名を一躍広めた事でも知られる代表作。
誕生は1946年。
ヘルシンキの学生寮ドムス・アカデミアの為にデザインされたのがこのチェアでした。
プライウッドで成形された背と座。
包み込むような柔らかい座り心地は学生の長時間の勉強時間を支えたと言われています。
程よいバランスのハーフアームも印象的。
コンパクトなルックスながら確りと腕をホールドしてくれると同時に、テーブルに差し込みやすいバランスで仕上げられています。
露出したネジ頭はこのチェアがノックダウン式である為。
出荷時はコンパクトに梱包しコンテナに収められていたそう。
説明書はコンテナに張られており、誰でも簡単に組み立てる事が出来ました。
フィンランドデザインならではの合理主義とタピオヴァ―ラのデザインスタイルが叶えたこの仕様は後にフィンランド国外に多く輸出されることになります。
イギリスではスタックス、アメリカではノル社がフィンチェアという名前で販売。
1951年に開催されたミラノトリエンナーレでは金賞を受賞し多くの人々に認知される名チェアとなりました。
今回入荷した個体は40年代から50年代に製造された初期プロダクト。
簡単に組み立てることのできるシンプルな形は誰にでも修理もしやすく、長期間の使用に柔軟性と耐久性を見せました。
半世紀たった今でも損なわれない確りとした佇まいもまた、タピオヴァ―ラのデザイン哲学なのかもしれません。
ドムスチェアのビンテージはフィンランド国内でも入手が難しいそう。
同氏の名作、ピルッカやファネットと比べるとどこか匿名性を帯びて素朴。
そしてぼってりと愛嬌ある佇まいが愛らしく佇みます。
学問に励む学生を支え世界中に広がったフィンランドデザイン。
美しい一脚です。