J.Luber SP1 スパイラルランプ ペンダントランプ ヴェルナーパントン Panton 70's ビンテージ ミッドセンチュリー スペースエイジ ~光と風が描く、ひとつの景色

UPDATE: STAFF:MIYU
J.Luber SP1 スパイラルランプ ペンダントランプ ヴェルナーパントン Panton 70's ビンテージ ミッドセンチュリー スペースエイジ ~光と風が描く、ひとつの景色

J.Luber SP1 スパイラルランプ ペンダントランプ ヴェルナーパントン Panton 70's ビンテージ ミッドセンチュリー スペースエイジ ~光と風が描く、ひとつの景色

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J.Luber
SP1 Spiral Lamp

照明ひとつで、お部屋の印象は驚くほど変わります。
それだけに、毎日過ごす場所には「とりあえず明るくするため」のものではなく、本当にお気に入りの照明を選びたい。
照明を選ぶことは、どんな光の中で暮らしたいかを選ぶことなのかもしれません。

蠟燭の火を見ていると、なぜか安心しますよね。
それはきっと、柔らかな光やあたたかな色だけでなく、炎がゆらゆらと揺れているからだと思います。
葉っぱが風に揺れているところ、川の水が流れていく様子、海の波、ゆっくりと形を変えながら流れていく雲。
私たちは、そうした穏やかに動き続けるものを眺めていると、どこか安心したり、心地よく感じたりするものなのかもしれません。

今回紹介するSP1スパイラルランプにも、そんな自然の中にある「揺らめき」や「動き」を眺めているときと同じような心地よさを感じます。
照明だけど、ただそこで光っているだけではない。
光や影、風による揺れまで含めて、ずっと眺めていたくなるような一台です。

光と風が描く、ひとつの景色

デンマーク人のデザイナー、ヴェルナー・パントンが手掛けたこちらは、1970年代にJ.Luber社から製品化された貴重なオリジナルビンテージ。
世界初のプラスチック一体型チェアとして知られる「パントンチェア」をはじめ、プラスチックやFRP、スチールなど、それまでの家具にはあまり使われていなかった素材を積極的に取り入れ、色彩やフォルムの面でも既成概念に挑戦してきたパントン。
家具だけでなく照明やテキスタイル、壁面までをひとつの世界として捉え、まるでSF映画のような没入感のある空間をつくり上げたことでも知られています。
このSP1も、そんな彼のデザイン哲学を良く感じられる作品のひとつ。
螺旋状のプラスチック板が4層に重なり、それぞれが透明なナイロンストリングで吊られています。
重なり合う板と、それを支える細いストリングによって生まれる奥行きと浮遊感は、遠くから全体を眺めるだけでも印象的です。

実際に明かりを灯してみると、光源そのものは直接見えず、沢山のプラスチック板の隙間から柔らかな光だけがこぼれてきます。
すると、壁や床には光と影が幾重にも重なり、まるで水面の揺らめきや、海底に差し込む光のような景色が広がります。
4層に重なったシェードにはしっかりと奥行きがあり、そこから漏れる光にも豊かな陰影が生まれるので、少し近未来的な雰囲気がありながらもどこかロマンチック。
さらに、プラスチックの板は透明なナイロンストリングによって一枚ずつ吊られているため、照明そのものにも無重力感があります。
少し揺れれば、プラスチック同士が軽く触れ合って、かすかな心地よい音がする。
その音もまた心地良くて、思わず窓を開けて外の風を入れたくなるような気分にしてくれます。
風を受けてゆっくり揺れるランプと、そのたびに小さく響く音。
視覚だけでなく、音まで含めてコの照明を楽しめるのです。

そんなふうに眺めているうちに、私にはこのランプが「水」を表現して作られたのではないかと思えてきました。
もちろん、それがパントンの意図だったのかは分からないですが、そう考えるといろいろなところがしっくりきます。
螺旋状に重なったプラスチック板は、水の中でゆっくり揺れる海藻のようにも見えますし、透明なナイロンストリングで一枚一枚が吊られていることで、まるで水中に浮かんでいるような無重力感もあります。
明かりを消して眺めていると、螺旋の部分はリボンのようにも見えますが、光を受ける向きを少しずつ変えながらきらきらと輝いている、小魚の群れのようにも見えてくる。
水の中で群れになって泳ぐ小魚を、少し離れたところから眺めているような、不思議な浮遊感です。
もちろん、これは私がこのランプから受け取ったひとつの見方に過ぎません。
その日の気分や置かれた場所によって、きっとまた違う景色に見えるのだと思います。

そして、明かりを灯した状態で真下から見上げてみると、外側から見る時とはまた違った表情が表れます。
光源の光がプラスチック板に反射して、きらきらと輝いて見えるのです。
晴れた日に水中から水面を見上げたとき、太陽の光が水の揺らぎを通してきらめいて見える、あの景色を思わせます。
横から眺めたときには、シェードの隙間からこぼれる柔らかな光と陰影が印象的なのに対して、真下から見ると光そのもののきらめきが強く感じられる。
見る位置を変えるだけで、同じ照明から全く違う景色が生まれるのも、このランプの面白さです。

水を思わせるのは、シーリングメダリオンの造形も同じです。
表面が波打っていて、それはまるで水面に雫がひとつ落ちたときにそこから静かに広がっていく波紋のよう。
凹凸によって生まれる陰影も美しく、素材自体はプラスチックという人口的なものなのに、どこか有機的な温もりを感じさせます。
シェードの光や浮遊感だけでなく、こうした細かな部分にも自然を思わせる要素があるからこそ、私はこのランプを見て「水」というイメージにたどり着いたのかもしれません。

明かりを消した昼間には、また違った表情を楽しめます。
自然光を受けたプラスチック板の光沢が綺麗に浮かび上がり、波打つようなフォルムも相まって、どこかポップな印象。
螺旋状の板が4層に重なっていることで奥行も生まれ、近くで見るほど、一枚一枚の形や重なり方が面白く見えてきます。
向きを変えたり、光の当たる角度が変わったりするたびに、表面がきらりと光るのも綺麗です。
明かりをつけていない時間にも、自然光の中でこのランプを眺めていたくなるような魅力があります。

夜になって明かりを灯すと、昼間のポップな印象から一転して、少しラグジュアリーでロマンチックな雰囲気に包まれます。
明るさが控えめだからこそ、このランプを部屋の主役にして、周囲には柔らかな光の間接照明を点在させるくらいがちょうどいい。
光源そのものは直接見えず、シェードの隙間からこぼれる光と陰影だけが広がるので、空間全体がしっかりとした空気に変わります。
私だったら、壁も床も青い部屋にこの一灯だけを吊るして、少し薄暗い中でキャンドルをひとつ灯し、レコードから流れる音楽を聴きながら過ごしてみたい。
風が入ればランプがゆっくり揺れて、プラスチック同士がかすかに触れ合う。
そんな時間を想像すると、この照明のために部屋をつくりたくなるような気持ちさえしてきます。
照明を選ぶということは、その光の中でどんな時間を過ごしたいかを選ぶ事なのかもしれません。
このSP1スパイラルランプは、そんなふうに「この光の中で過ごしたい」と思わせてくれる一台です。

J.Luber SP1 スパイラルランプ ペンダントランプ ヴェルナーパントン Panton 70's ビンテージ ミッドセンチュリー スペースエイジ ~光と風が描く、ひとつの景色

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