J.L.Mollers
Model No.77
「シンプルなデザイン」と「無駄のない機能的なつくり」。
北欧ビンテージの家具に見られるこの特徴は年月を重ねた後も愛され続けることになります。
中でもデンマークのビンテージ家具は北欧ビンテージにおける全ての魅力が顕著に表れており、デザイン、品質共に高い水準にあることで認知されています。
美しい造形に伴う美しい実用性。
本日紹介させて頂くのはそんなデンマークビンテージならではの魅力が細部にまで強く表れた名品です。
日常の為の美術品
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流れる様なフォルムと厚みのあるフレーム、熟練の技術によるつなぎ目を感じさせないライン。
身体に沿う造形による包み込むような座り心地。
これほどのチェアを製品として完成させたのは、家具デザイナー、ニールス・O・モラー。
J.L.モラーの創設者であり、家具職人である同氏は伝統的な職人の手仕事と機能美が美しく調和したデザインで知られています。

北欧ビンテージに共通する最大の魅力、なめらかな曲線を活かした美しいフォルム。
流れる様なラインとエッジによる引っ掛かりの無い心地よい緩急、厚みのあるフレームがこのチェアの特徴です。
無駄のないデザインながら決して退屈させないデザインに家具職人としての強い拘りとデザイナーとしての高いセンスを感じさせます。

まるで一本の木材から削り出したかのような滑らかさ。
芸術的な造形は多くの人々に美しく映りました。
高い木工技術を思わせるこの箇所こそデンマークデザインの魅力。
細部にまで神経の行き届く丁寧な作りがなされているからこそ唯一無二の存在感と柔和な表情を含むビンテージになることが許されます。

主材にはデンマークビンテージの特徴でもあるチーク材。
経年に磨かれた深みある飴色が美しく、どの角度から見ても美しい杢目を堪能することが出来ます。
デザインの良さと素材の良さ、それらを繋ぐ妥協の無いものづくりへの拘りの共存は素晴らしく、J.L.モラーのビンテージが愛される理由を十分に感じさせてくれます。
座面は程よいテンション感のペーパーコード。
身体に沿うフレームのラインと相まって安定感と柔軟性ある座り心地を叶えてくれます。

今尚美しい名作を作り続けるJ.L.モラー。
このモデルも高度な職人技術と良質な材を持って手掛けられています。
しかしながらチーク材が用いられた個体はビンテージのみ。
経年の重厚さと気品を纏った贅沢なこのモデルを新たに入手する事は敵いません。

名作として完璧な素質を持ち合わせた J.L. モラーのプロダクト。
当時の家具メーカーはその美しさの秘密を探ろうと工場に持ち帰り分解したという逸話があるそう。
全ての箇所に見られる圧倒的な完成度の真髄は見えない箇所にも宿っているのかもしれません。
日常の為の美術品。
長く愛され続ける名ビンテージのご紹介でした。
