ERCOL
401 Butterfly Chair ANTRY 25th Anniversary Edition
伝統とは、単に昔から残ってきた形や様式のことではなく、自分たちがどこから始まり、何を大切にして作ってきたのかを思い出させてくれる“手がかり”のようなものだと思います。
時は第二次大戦後の1950年代。
イームズに代表されるように、新素材や工業技術によって全く新しい家具が次々と生まれていました。
その潮流の中で、英国のアーコールは、異なるアプローチをを示しました。
それは、18世紀から続く、伝統的なウィンザーチェアを生活様式の変化に応じて再構築するというものでした。
その結果生まれた椅子が本日紹介するERCOL 401 Butterfly Chairです。
伝統のアップデート

メーカーはercol。
1920年にルシアン・アーコラーニによって設立された、英国を代表する家具メーカーで、最新の技術と熟練した職人の技を融合し、イギリスの伝統的なウィンザー様式の家具と普遍的なモダンデザインの家具、その両方を多く輩出し、長い間多くの人に愛されるブランドです。

このバタフライチェアは、創業者のルシアン氏によって1956年にデザインされた椅子です。
この椅子の最大の特徴は背もたれのシルエット。
背板とそれを支える背柱が後ろから見たときにまるで翅を広げた蝶のように見えることが名前の由来です。
この椅子の逸話として「世界で最も後ろ姿の美しい椅子」と評されるほど。

伝統的なウィンザーチェアの脚部に、成形合板の湾曲した背もたれとシートをジョイントさせたつくりをしています。
当時の最先端技術を注ぎ込んで作られたデザインで、独特のカーブが美しいフォルムは座った時に体をやさしく包み込み、木の自然な反発によって座り心地の良さを実現しています。

今回は、そんなバタフライチェアの特別モデル。
座面にはイギリスのバージンウールが使用された生地が張られています。再生ウールを全く含まないため肌触りが非常によく、年中通してご利用いただけます。
もともとクッションがいらないと評されるほど座り心地の良い椅子と評されていますが、こだわりぬいた曲面を邪魔しない絶妙な厚さとクッション性を両立し、包み込まれるような座り心地を実現しています。

ミッドセンチュリー期の技術の進歩に伴い家具そのものが大きく変わろうとしていた潮流で、ルシアン氏は新しいものではなく、自国に根付くウィンザーチェアの刷新に挑戦しました。
そうして生まれた椅子だからこそ、支持され続けているのではないでしょうか。
過去から受け継いだ価値と、これから重ねていく時間。その両方を受け止めてくれる。
そんな魅力が詰まった一脚です。











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