Chr. Christiansen
Model 310 Dining Chair
しいて挙げるとすると、髪の毛でしょうか。硬めのごわごわした父と柔らかくぺたっとした母の髪質をちょうど足して2で割ったような髪の毛。
少しの癖はあるけれど、基本的にはストレート。おかげで天気に悩まされることもなくけっこう快適に過ごせています(両親に感謝)。
チャームポイントなんて呼ぶには恐れ多くはありますが、皆さんも自分の体の中で気に入っているパーツはありますか?
こだわりのすべて
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その佇まいの美しさに見飽きることのない北欧の椅子たち。特にビンテージともなれば、そこに経年の貫録が加わってより一層美しく感じられるものです。
でも今回の椅子は、全体像だけでなくひとつひとつのパーツに注目したいと思える椅子。いつもより細部までしっかりと見たくなる椅子です。
Chr. Christiansen社製のダイニングチェア「Model 310」。手掛けたのは、デンマークの家具デザイナー、Erik Buch(エリック・バック)。
いくつかの作品が現在でも高く評価され続けていますが、私生活についてはほとんど情報がなくちょっぴり謎に包まれたデザイナーだったりします。
さて、まず目に飛び込んでくるのは、優美なくの字を描く背もたれ側面のフレームデザイン。ブーメランのように投げたら返ってくるんではないかと思うほど滑らかです。
ボタンのように左右4つずつ埋め込まれたダボが控えめなアクセントとなり、きっと誰しもが可愛いと思わずにはいられないことでしょう。
そしてそこから流れるようなラインでしの字のように窪む付け根のあたり。つい手で撫でたくなってしまう心地良さがあります。
なぜ直線でないのかを突き止めることはできませんでしたが、横から見たときの印象が大きく変わるこの部分。氏のこだわりが垣間見える気がしました。
対して、その先に繋がる座面の前側面には丸く突き出るデザインが施され、計算された(と思われる)凸凹の対比に驚かされます。
彼が最初の成功を収めたといわれるチェア「Model 49」のフレームデザインを継承しつつ、より複雑で個性的な構造がこの椅子の何よりの魅力です。
他にも、背もたれの2本のバーやフレームを支える前後の貫に至るまで、どこをとっても伝わる丁寧さ。
それはもうデザインに全身全霊をかけたと思わせるほどにどのパーツも抜かりがありません。
もしかしたらプライベートは謎ではなく、仕事とプライベートが一緒だったのかもなんて想像してみたり。
優しく柔らかな佇まいの中に詰まったこだわりのすべてがチャームポイントに見えるのです。