Henning Kjaernulf
Model.71
美しい造形。
拘りを持って作られた家具は、見た目の美しさと同時に実用性の高さを理解させられます。
中でも高い完成度を誇るのが北欧デンマークのビンテージ。
デザイン、品質共に高い水準にある美しい実用性はデンマークの暮らしそのものを映しているといっても過言ではありません。
本日ご紹介させて頂くのはデンマークが残したビンテージの逸品です。
謎多き巨匠。
>>この商品の詳細を確認する
童話作家アンデルセンの出身地として有名な地域、デンマークのオーゼンセ市。
1950-70年代にその街を拠点とし、多くのプロダクトを手掛けた巨匠がいます。
ヘニング・ケアヌルフ Henning Kjaernulf。
素性はあまり知られていませんが、手掛けた作品は高く評価され、今日も世界中のファンが探し求めています。
彼はデザイナーだけでなく、建築家の一面もあります。
建築家ならではの構造・機能美を突き詰めた作品の数々。
そのプライドは、“Arkitekt(建築家) Kjærnulf”の名前で作品に焼印を入れ表現されるほど。
職人気質で品質に自信のある小さな工房とタッグを組み作品を手掛けるなど、妥協を許さない完璧主義の一面が垣間見えます
こちらの個体、彼の神髄にある美学が随所に表れております。
『Model.71』
1960年頃の作品と思われ、美しい曲線を持たせた背もたれと独特なラインのフレームが特徴的。
背もたれにはデンマークビンテージを代表する素材、チーク。
飴色に輝く色合いと繊細で細やかな杢目。
時が経つにつれ深みを増す表情はまさに経年美。
曲線美とチークの組み合わせは、どこか本能的に美しいと思わせてしまう魅惑的なオーラを放ちます。
フレームには力強さを象徴する素材、オーク。
昔のオーク材特有、野趣あふれる力強い木目。
経年を感じさせない硬く頑丈な佇まいはまさに質実剛健。
安心して着座できそうと、心の余裕を持たせてくれる美素材です。
チークとオークの共存は、見た目と実用性を両立させるため。
その両者の両立は素材の選択のみならず、デザインにも表れております。
このModel.71最大の魅力、側面から見たシルエット。
フレームのアルファベットのAのようなデザインは、構造の美しさと高い安定性を実現しています。
構造美。
前後に向けて伸びるフレームは、力の作用により中心に重心が来ます。
脚部を繋ぐ補強板。
シンプルで一切無駄のない構造は、高い耐久性と安定性をもたらします。
娯楽性の高さも。
包み込んでくれるような背もたれも身体をしっかりと支えてくれます。
座面はやや後傾。
安心して身体を預けられ、自然とリラックスした姿勢を取らせてくれます。
建築家ならではの構造美を実現した ”ヘニング・ケアヌルフ Henning Kjaernulf ” 。
普遍的に使用できる芸術品といった趣は、類い稀なるバランス感覚によるものなのでしょう。
作品から溢れる気品と日々の生活で理解する実用性。
素性が分からずとも、確かな個体の魅力により今日まで大切に繋がれてきた逸品。
謎めいた不思議な背景が、彼の作品にさらなる魅力を与えているのかもしれません。