Fritz Hansen
3170 Dot Stool
大きなアゲハが灼熱の日差しに熱せられたアスファルトの蜃気楼にそよぐ、夏本番がやって参りました。
適度なエアコンの活用はもちろん大切ですが、冷やし過ぎて夏風邪をひかないように気を付けないといけない季節です。
旬の野菜を美味しく食べて、時には適度に運動して健やかに過ごしたいものですね。
本日のご紹介は、そんな日本の季節をすまし顔で過ごすクールな1脚。
是非ご覧になっていって下さい。
フライングディスク
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今回はスツール。
小振りで場所を取らない、ちょっとした腰掛けとしてお探しの方も。
そして場所を取らないという事は、たくさん集めてしまえるという悪魔的な家具でもあります(笑)
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背もたれが無い分椅子よりもコンパクト。
その方面に特化してスタッキングが出来るものが多いのも特徴の一つ。
フィンランドの名作 アアルトのスツール60や、日本でも剣持勇のNo.202と重ねる事で更に魅力的になる。そんな不思議な家具のカテゴリーなのです。
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そんな名作に負けない、今回の1脚。
製造はフリッツハンセン | Fritz Hansen、デザイナーはアルネ・ヤコブセン
| Arne Jacobsenです。
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1872年に創業したフリッツハンセンは、クラシックな家具製造に始まりオフィスチェア等を通じその技術を培っています。
ヤコブセンとは1934年にベルビュー地区に設計したリゾート、「ベルビュー・ビーチ」で用いた椅子の製造から協働をスタートしましたが、1952年になり大きな契機を迎える事になります。
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それはアントチェアの発表。成型合板による背座一体の椅子が世の中に生まれたのはこのタッグによって。
さらにはその後に生まれたセブンチェアは、今最もポピュラーなデザイナーズチェアとして認知されています。
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軽くて強靭。そして木の温かみを失わない。
そのプライウッドが用いられて1955年に発表されたのが今回のドッドスツールです。
丸い。そして柔らかい。
座面はビンテージならではのチーク材。
どうしても"ヤコブセンの椅子"というイメージが先行してしまいますが、それを可能にしているフリッツハンセンの成型合板(プライウッド)はやはり素晴らしい出来栄えです。
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最初期は座面の上から金具を穿ち、フレームとナット留めしているようですが今回はそれより少し後の1960年頃の製造と思われます。
座面裏には可愛らしいエンボスのロゴと、粗悪品と識別するために用いられたダニッシュコントロールのシール。
当時の年代を良く感じさせてくれる大事なポイントです。
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ヤコブセンが手を触れる椅子から手放さなかった「自然のぬくもり」。
デンマークらしい「バランスの良い中庸」。
そして嫌味の無いグラデーションをもたらす「考え抜かれた曲面」。
こんなに小さくても、しっかりとそれが伝わるスツール。
ありそうで、中々無い美しい1脚です。