Finland ASKO
50-60s vinatge Fanett chair
本日は、 偉大なるフィンランドの建築家、兼工業デザインナーの " イルマリ・タピオヴァーラ / Ilmari Tapiovaara " がデザインしたとされる人気のビンテージ 『 ファネッ トチェア / Fanett Chair 』のご紹介です♪
古今東西人気を博す名作チェア
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1914年、フィンランド・ハメーンリンナに生まれ、ヘルシンキの大学では家具デザインとアートを専攻。その後、お馴染みフィンランドの老舗家具メ ーカー " アルテック / artek " 社の " アルヴァ・アアルト / Alvar Aalto " の下で修行し、フランス・パリに渡り " ル・コルビュジエ / Le Corbusier " 、アメリカ・シカゴでは " ミース・ファン・デル・ローエ / Mies van der Rohe " と近代建築の礎を築いた20世紀を代表する巨匠らに師事。
何時の時代も社会や生活のニーズに適した「 人々の為のデザイン 」を根差し、戦中戦後の厳しい環境下でも、民衆が必要とする実用的なモノ作りを目指した精神は、時代を超え今尚後世へと受け継がれています。
そんな氏が残した名作の一つにこのチェアが存在します。
世間一般ではイルマリが手掛けたとされるファネットチェア...ですが、1949年の発表当初は、" レナート・カールストロップ / Lennart Karlstrup " がデザインし、スウェーデンの家具メーカー " エズビー・ヴェルケン / Edsby Verken " 社から販売されていたと文献には残っており、1955年からはイルマリがその技術・仕様を採用し、リデザインした6本のスポークタイプ「 T55 」が、フィンランド " アスコ / ASKO " 社からも製造が開始されました。
更に元を辿ればアメリカで派生したフィラデルフィアコームバック、即ち17世紀後半からイギリスで誕生したウィンザーチェアが原型だったのではないかと推測します。
いずれにせよ、コンセプト通り量産型でありながら丈夫で軽く当時から人気を博したチェア。
このファネットチェアの後期型としてエズビー社から7本のスポークタイプも販売されていましたが、現在では生産しておらず、復刻も行われていないビンテージ品。
熟練の職人による丁寧なハンドメイド製品であり、釘やボルトを使わない古の伝統技術が伺い知れるアスコ社期の貴重な一脚です。
緩やかにカーブを描く笠木、そのカーブに沿って6本スポークが背凭れとして形成されており、座面後方の形に沿うように繋がっています。十分な広さを確保したシートスペース、特徴的な皿状の窪みは収まり良く、リップは下がっており、着座の際に大腿部にストレスが掛からないようにも考慮されています。
またハノ字に広がった脚部はH型の貫を備え、確りと荷重を支えてくれます。奥に向かってやや斜になっている為、深く座った際には適度なホールド感と休息を齎し、浅く座っていても安定しています。
シートは美しい杢目と赤み掛かった木肌が特徴的な8層のチークプライウッド、フレームは丈夫な無垢ビーチウッドに黒塗りの化粧が施されています。
これまでの木製椅子にカラースキームという新しい概念を広めたのもこのチェアが端緒と云われており、コンビカラーのアレンジが当時では斬新だったようです。
各々のスポークやレッグは先端に向かい丁寧にシェイプされ、佇む姿は実に軽快な印象。機能性は元より、ユーモラスで小粋なセンスを感じさせるお薦めのチェアです。
単体でも絵になりますが、ダイニングテーブルやデスクに合わせてみては如何でしょうか?
数十年経過したオリジナルのビンテージですが、画像の通りコンディションも概ね良好ですので、ご検討中だった方はこの機会に是非!wW