JOHANNES HANSEN 『 THE CHAIR ・ JH503 』

Design: Hans J Wegner

QF25-35

本日ご紹介するのは、北欧家具界のトップデザイナー

巨匠ハンス・J・ウェグナーを世に知らしめた最高傑作

北欧チェアの頂点に君臨する名作

ヨハネスハンセン社『ザ・チェア JH503』。

北欧家具の歴史を語る上で、欠かす事の出来ない

数多くのウェグナー作品。生涯で500種類以上の椅子を

世に生み出した彼の作品の中でも、「最も完成度が高い」と称され

「椅子の中の椅子」として『ザ・チェア』の愛称が付けられました。

MoMAのパーマネントコレクションでも、近現代のモダンチェアにおける

代表選手として、バルセロナチェアやイームズのラウンジチェアと並び

近代家具デザインの象徴とされています。

アメリカ大統領選でジョン・F・ケネディとリチャード・ニクソン

による伝説的なテレビ討論会で登場し、後にオバマ前大統領も

COP15の会談で使用する等、歴史的ターニングポイントで

度々登場する勝負チェア。

母国デンマークでも、王室や政治家が公式の場で使用し

made in Denmarkを代表するスタンダードチェアとして

その品格のある佇まいにより、多くのセレブリティに愛用されています。

没後10年となる今日でも、ウェグナーの意志に忠実に従う

熟練職人の手仕事で、カンナを使わずにヤスリで磨き上げる

「サンディング」により、1脚1脚丁寧に作られています。

発表当時は、そのあまりにシンプルなフォルムの価値を

歴史が認めるまでには時を要し、「みにくいアヒルの子」と酷評されたほど。

昔からずっと座ってきたような懐かしさすら感じてしまう

じわじわと湧いてくる体感。

理屈ではなく、感情で伝わる「ザ・チェア」の価値は

「座れば解る」としか言えないでしょうか？

まず背からアームのラインを、そっと撫でてみてください・・・。

絶妙な丸みと高さ、心地良く触感に伝わる繊細かつ完璧な曲線。

そして身体を委ね、静寂から聴こえてくる素材の声・・・。

本を読みたい時。

集中して何かを考えたい時。

無心になりたい時。

静かなる時の流れの中で、物言わぬ1脚の椅子が

あなたに教えてくれる「椅子に座る」事の意味。

「ザ・チェア」を体感したあなたは、その時、何を思うでしょう？

座ってみてはじめてわかる「ザ・チェア」の理由。

「みにくいアヒルの子」と呼ばれたその歴史の様に

魔法にかかった様な世界最高のフィット感は

文章では決して伝えきれません。 次回ご来店の際は、是非座ってみてくださいね！